人物
その女に捨てられたという時には、
多少なりと精神上に傷害を残す位な濃艶に狂激な女が欲しいのです。
愛することは、
憎むことを知る始めである。
世間のつまらぬ不平や不愉快を忘れるには学問に遊ぶのが第一の方法である。
花が咲いたら其(そ)れをば二人同じような心持で眺めたい。
蝶が飛んだら二人して其れを追いたい。
然らずば花が咲いても蝶が飛・・
どんな女でもいいのです。
心底から私を有頂天にさせてくれる、
身も世も忘れさせてくれるような女なら、
どんな女でもいいのです。
詭弁はよしたまえ。
つまらんパラドックスは自分で自分を不幸にするようなものだ。
自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る。
永井 荷風(ながい かふう、1879年(明治12年)12月3日 - 1959年(昭和34年)4月30日)は、日本の小説家。本名は永井 壮吉(ながい そうきち、旧字体:壯吉)。号に金阜山人(きんぷさんじん)、断腸亭(だんちょうてい)ほか。