名言大学

真央は私の金メダル

(浅田真央について)この子をしっかりと覚えていてちょうだい。
この子は将来絶対に世界の頂点に立つ子だから

結果が全てではない。
がんばったことというのは、
いつか必ず、
何かの形でプラスになって返ってくる

のんびりしている子はなんとなく、
のんびりしている魅力があるし、
カチャカチャしている子は、
カチャカチャしている魅力がある。
コーチとは、
天性の魅力を引き出すことが、......

私指導している名古屋市のフィギュアスケートクラブというのは、
特別な入会条件も面接試験もありませんから、
さまざまな年齢のいろいろなタイプの子供たちがいて、
毎日レッスンに励んでいます

遠い先を見ないで

(伊藤)みどりは、
私にとっていちばん印象に残る選手です。
みどり以外にない。
私が今、
こうしていられるのは、
あの子がいたから

私は、
あの子(伊藤みどり)が天才だったから手元に置いたのではありません。
ただ、
幸せにしてやりたかった

原点に戻り、
名古屋の“おばあちゃんコーチとして、
孫のような存在の子どもたちにスケートの楽しさを伝えていくことに大きな喜びを感じ、
底辺拡大に努めています

学習塾でいえば“進学コースと“学習補強コースがあるとすれば、
わたしは後者を受け持つ指導者でいたい

コーチのタイプには“強化型と“普及型の二つがあると言われています。
私は強化が得意なコーチと思われがちなのですが、
じつは普及を自らのライフワークとしているのです

唯一、
私がほかのコーチと比較して、
自身の指導のなかで大切にしていることは、
“和を重んじることでしょうか

技術の前に、
まず「礼儀」を教えています。
つまり「しつけ」ですね

私は多くの人から“愛されるスケート選手を育てたいと願っています。
いままでもそれを第一に考えて選手を指導してきたつもりですし、
これからも変えるつもりはありません

「実るほど、
頭を垂れる稲穂かな」です。
大会で上位に入ったり、
注目されたりしたときこそ、
「技術よりも礼儀や言動にことさら気をつけるように」と言います

反抗期になると生意気になったり、
行儀が悪くなったりする子がいますが、
そういうときは厳しいですよ。
ジャンプが上手に跳べなくても怒ったりはしませんが、
生き方に関することには厳しくありたいと思っています

自分だけ得をしようとか、
勝とうとかいうことだけを考えている選手は、
絶対にトップには立てません

野球でもサッカーでも、
世界で活躍する一流の選手たちはやはり言動がすばらしい。
まず、
人間的に魅力があります

40年以上、
この考え(「技術よりも礼儀」)を変えず、
名古屋という街の同じリンクで指導してきて、
伊藤みどりや浅田真央をはじめ、
多くの子どもがすばらしい選手に育ってくれたことが誇りです

ふだんの生活をきちんとしておけば、
試合でリンクに上がってもシャキッとした姿勢で滑ることができますし、
練習のリンクでも身なりをきちんとしていれば、
自然と練習する意欲も湧くというものです

(浅田真央について)上品さの漂う演技や奇跡的なほどバランスの取れた能力もさることながら、
彼女の魅力の根底には「素直な心」、
憎めないナチュラルな性格があると私は思っています

(浅田真央について)何よりも性格が素直で、
私の言うことにきちんと耳を傾けることを知っている。
まさにフィギュアスケートをやるために生まれてきたような“逸材でした

1992年のアルベールビル・オリンピックで銀メダルを獲得。
あのとき、
伊藤みどりのハートが世界のフィギュアスケートの歴史を塗り替えたのだと思います。
「気品はアスリートのハートにこそ宿る」ことを彼女が世界に示したのです

自分の娘と同い年の彼女(伊藤みどり)に、
スケートに専念するためのより良い環境を作りたいと考え、
わが家に引き取ることにしたのです。
自分の子供といっしょに育てて、
私の持てるものをすべて注ごうと

子供にはスポーツを一つの手段として、
立派な男性、
素敵な女性に育ってほしいですね。
そのうえで世界の頂点をめざすのであれば、
それは素晴らしい

スケートの世界では欧米を中心に「オフリミット」といって、
選手の親は稽古場やリンクサイドに入らないというのが常識で、
日本でも7割以上の先生がそうされているのですが、
うちは「オンリミット」

フィギュアスケートの世界は、
とくにトップクラスになると先生のカラーがはっきりしていて、
選手もそのカラーどおりという場合が多いのですが、
うちはその逆。
「子供たちが持つ豊かな個性をそのまま自然に、
無理なく伸ばしていく」というのがわたしなりの指導の方針です

生徒を集団にして、
一律のマニュアルで教えるということはしていません。
指導はマンツーマンが基本です

子供たちの個性を伸ばすことを第一に「タイプを変えない指導」というのを心がけています

練習中には、
リンクサイドから自分の子供に“声かけも“指導もしてもらっています。
これはもう伝統のようになっていて、
浅田姉妹も恩田美栄も中野友加里もそうでした

もしお母さんたちが技術的にニュアンスの違ったことを伝えても、
それは私が直せばいいこと。
それ以上にお母さんたちが存在する意味は大きいと思うのです

母親ならではの視線で練習を見守る姿に、
私はまず愛情そのものを感じます

伸びていく選手には、
強力な親のサポートがあったのです。
このことは共通していますね

子供たちに伝えたいのは、
フィギュアスケートに興味を持ち、
「やってみよう」と決意したのなら、
くじけることなく、
一生懸命に、
できるだけ長くやってほしいということです

メダリストだって、
最初はバッジテストを受け、
級を上げながら、
ノービスの県大会、
ジュニアのブロック大会、
全日本選手権、......

最初からオリンピックなんて遠い先を見ずに、
明日、
子供がどれだけ成長しているかを楽しみにしてください

私は“おばあちゃんとして、
家族全員で子供を育てているような感覚がありますね。
そのほうが楽しいし、
選手の人間性がそのまま反映されるフィギュアスケートのコーチングに適していると思っています

人と比較する教育ではなく、
子どもが自分を大切にできるような教育、
“愛される、
幸せな人になることを人生の目標においた子育てをしていただきたいと思います

どんな速さで上達するか、
成長していくかは人それぞれ。
才能も然りで、
人それぞれに幅や奥行きが違います

お母さんたちは、
順位や成績をほかの子と比べたりせずに、
自分の子どもがベストを尽くす姿を見守ってほしい

自分のホントに好きなスケートをやればいいと思う。
それがきっとみんなの心にも残ると思う。
心に残るほうがいいって

真央はバンクーバーまでって言ってたくらいなのに、
ソチまでやったじゃないですか。
で、
もういいの。
でもやりたいんだから。
やらせてあげてって感じ

『今、
先生は私に何を求めてるのか』『今の自分には、
何が必要なのか』キャッチする力がすごく必要なんです

(伊藤)みどりが出てきて楽しくなったんじゃなくて、
とっても苦しくなりました

幼少期、
思春期、
青春期・・と、
リンクや学校で過ごす20年余りは、
人間としての基礎が作られ、
将来、......