鬼をもあざむくほどの彦六が、あんな小男に討たれたのは、武運が尽きたのである。前々から、組み打ちの勝負次第で決着をつけると約束した以上、川中島のことは約束通りにしなければいけない。違約は武士として恥じるべき事、君子に二言はない。川中島四郡は今日より上杉家に差し上げよう

人間にとって学問は、木の枝に繁る葉と同じだ

大多数の世間の人々が、平凡な一生を終るのは志が小さく、意志が弱いからだ

プライドを脱ぎ捨てた時、挑戦し続ける心が生まれる

秀吉は、元来人を斬ることが嫌いの性分であるが、覚悟がなおも直らないお前を、他国に行かせたのでは、恥の上にも一門の恥さらしとなるから、人手にかけず、秀吉のこの手で殺してやろうぞ

軍の礼法として侍が心得ねばならないのは、いらないところに儀礼を好んではならないことである

道なくば岩をよじ、山をつらぬいてゆくまでよ

為せば成る　為さねば成らぬ成る業（わざ）を　成らぬと捨つる人のはかなき

おまえは、自分の功を立て、かれは忠をつくした

見ぬ世の末の変わりゆく有様を つらつらと思いつくれば胸苦しい

早まって相手の肚（はら）など考えてみぬものだ。相手の肚など推測してゆくと、いつかそれに捲きこまれて、わが身の都合を忘れてゆく

敵だというのも自制心を忘れた怒りである