気とは人に負けまいと思う心、すなわち負けじ魂と恥辱を知ってそれを悔しく思う気象のことである

勝つことばかり知って負けることを知らなければ、弊害が自分に及ぶ

翌日の事は、前晩よりそれぞれ案じ、書きつけ置かれ候。これも、諸事人より先にはかるべき心得なり

決断は、実のところそんなに難しいことではない。難しいのはその前の熟慮である

昨日の夕陽が、きょうも見られるというぐあいに人の世はできないものらしい

かたんと一筋におもふも病なり

行為する者にとって、行為せざる者は最も過酷な批判者である

賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとによって出来るものなり

人に勝つ道は知らず、我に勝つ道を知りたり

人が世を渡るにも一生の内には、渡（川の難所）を越すということが多いことであろう。船路にあっても、その「渡」の場所を知り、舟の規模や性能を知り、日の善し悪し（吉凶）をよく知って、友舟（ともぶね）は出さなくてもその時々の状況に応じて、あるいは横風を利用し、あるいは追い風を受け、もし風が変わっても二、三里であれば櫓（ろ）や櫂（かい）を漕いで港に着くつもりで、舟を乗りこなして「渡」を越すのである。その旨趣を理解して、人の世を渡るにも、全力をあげて困難を乗り越えようという意志が必要である

人は、生まれながらに、貴賤貧富の別なし。ただ、良く学ぶ者は、貴人となり、富人となり、そして、無学なる者は、貧人となり、下人となる

人は一代、名は末代。天晴武士の心かな