我々事などは浮世にあるものとは、おぼしめし候まじく候

われ独り出頭して、一人して事を埒あけたがるように致す、これ大なる病なり

馬は強く反応して、癖のないことが大事である。総じて武道具に関しては、馬もほどほどによく歩き、刀・脇差もほどよく切れ、槍・長刀（なぎなた）もたいがい刺し通り、弓・鉄炮も過度に強い破壊力はないほうがよい。武器そのほか好みが偏ってはいけない。余るのは足りないのと同じこと。人まねをせず、自分の身に応じ、武器は自分の手に合うようでなければならない

何でもよい、一つ上手であればよいものだ。煙草延しでも、上手でだければ名人といわれる。これからは何か一つ覚えて居らねばならぬ

足りないのは、しすぎることよりもいいのだ

おまえたち、そんなに、私を見たいか。目が四つ、口が二つ、あるわけではない。わたしも人間だ、ただ智に長けているのみ

絶対は絶対にない

恋の至極は忍恋と見立て候。蓬ひてからは恋のたけが低し、一生忍んで思ひ死（じに）する事こそ恋の本意なれ

事業は、我がためより、他のためから、出発せよ

普段から武士道の心がけを練っていなかったならば、いざという場合に潔く死ぬことはできにくいものだ。よくよく心を武に刻むことが肝要である

世に生き飽きた者だけ、ついて来い

人生に大切なことは、五文字で言えば「上を見るな」。七文字で言えば「身のほどを知れ」