名言大学

無刀とて、
必ずしも人の刀をとらずしてかなはぬと云ふ儀にあらず。
又刀を取りて見せて、
是を名誉にせんにてもなし。
わが刀なき時、
人にきられじとの無刀也

兵法は人をきるとばかりおもふは、
ひがごと也。
人をきるにはあらず、
悪をころす也

治まれる時乱を忘れざる、
是兵法也

刀二つにてつかふ兵法は、
負くるも一人、
勝つも一人のみ也。
是はいとちいさき兵法也。
勝負ともに、
其得失僅か也。......

一人の悪に依りて万人苦しむ事あり。
しかるに、
一人の悪をころして万人をいかす。
是等誠に、
人をころす刀は、
人を生かすつるぎなるべきにや

人に勝つ道は知らず、
我に勝つ道を知りたり

われ人に勝つ道は知らず、
われに勝つ道を知りたり

刀剣短くば一歩を進めて長くすべし

かたんと一筋におもふも病なり

人を殺す刀、
かえってすなわち人を活かす剣なりとは、
それ乱れたる世には、
ゆえなき者多く死するなり。
乱れたる世を治める為に、
殺人刀を用いて、......

無刀とて、
必ずしも人の刀をとらずして敵わぬという儀にあらず。
また刀を取りて見せて、
これを名誉にせんにてもなし。
わが刀なき時、
人に斬られじとの無刀なり

兵法は人を斬るとばかり思うは、
僻事(ひがごと)なり。
人を斬るにはあらず、
悪を殺すなり

治まれる時乱を忘れざる、
これ兵法なり

平常心をもって一切のことをなす人、
これを名人というなり