鏡は自惚れの醸造器である如く、同時に自慢の消毒器である

青年は真面目がいい

のどかな春の日を鳴き尽くし、鳴きあかし、また鳴き暮らさなければ気が済まんと見える。その上どこまでも登って行く、いつまでも登って行く。雲雀はきっと雲の中で死ぬに相違ない。登り詰めた揚句は流れて雲に入って漂うているうちに形は消えてなくなって、ただ声だけが空の裡に残るのかもしれない

細君の愛を他へ移さないようにするのは、夫の義務である

嫌な女も好きな女もあり、その好きな女にも嫌なところがあって、その興味を持っている全ての女の中で、一番あなたが好きだと云われてこそ、あなたは本当に愛されているんじゃありませんか？

全ての夫婦は新しくなければならぬ。新しい夫婦は美しくなければならぬ。新しく美しき夫婦は幸福でなければならぬ

自らを尊しと思わぬものは奴隷なり

恋心というやつ、いくら罵りわめいたところで、おいそれと胸の砦を出ていくものでありますまい

考えてみると世間の大部分の人は悪くなることを奨励しているように思う。悪くならなければ社会に成功はしないものと信じているらしい。たまに正直な純粋な人を見ると、坊ちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する

色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず

馬は走る。花は咲く。人は書く。自分自身になりたいが為に

自由な書を読み、自由な事を言ひ、自由な事を書かんことを希望いたし喉