名言大学

(コピーライターになるずっと以前から、
小説を書きたいと思い続けていた)でも書けなくて。
1行書いては投げ出し、
原稿用紙を買い揃えるだけで満足する(笑)、
そんなことを数年おきに繰り返していました

ひとりの生は、
必ず家族や恋人、
周囲の人々に何らかの影響を与える、
その“かかわりこそが次の世代、
さらにその次の世代へと色や形を変えて受け継がれていくのではないでしょうか

私自身が幼い頃から植物が好きだったのもありますが、
仕事で庭木の図鑑をつくったときに植物の歴史や由来を調べると、
これが凄く面白かった

知人の女性の落語家さんから『やっと、
大阪のかっこええとこを書いてくれた』と言われたのはうれしかったですね

この作品(「すかたん」)の中で起こる出来事、
幻の蕪の存在や、
お百姓さんたちが問屋を通さず、
自分たちで野菜の販売をさせてほしいって幕府に訴状を出す話も本当にあったことなんですよ

大坂の町を書こうと決めたときに、
江戸の人を主人公にしたほうが面白さが出せると考えました

子供の頃から植物好きで、
江戸の粋な雰囲気も大好き。
江戸時代の園芸が世界最高レベルだったという話を知り、
好きなものふたつを融合させてデビュー作を書きました

(好きな言葉)『おさらばえ』特に遊郭で遊女たちが使った言葉ではあるのですが、
町娘でもちょっとオキャンな子が洒落で使うような感じで『おさらばえ』と言ったようです。
別れのあいさつでも湿っぽくなくて、
キリっとしてて、
しかも情感のこもったいい言葉だなと私は思っています

作家というより、
田辺聖子さんの『ひねくれ一茶』や佐藤愛子さんの『血脈』のような作品が目標です。
おこがましいかもしれませんが、
いつか必ず挑戦したいです

歌子が恋した相手が水戸の人だったから水戸を知りたい、
幕末という時代を理解したい

(直木賞受賞について)姫野さんは会ってすぐに話しかけてくださって、
心丈夫でした。
ひとりになった途端、
フリーズしちゃいましたけど(笑)留守宅では夫が電話取材を受けたようですが、
私よりよほどしっかり受け答えしてたみたいです(笑)

一人で小説を書くって、
孤独な作業です

(初めて書いた小説を)たまたまみんな褒めてくれはったんです。
それで調子に乗ってしまって・・・・お調子者なんで。
『言いたいことの100分の1も書けなったから、
この続きを書きます』と。
『あと三回提出の機会があるので、
続きを書いてひとつの物語にしようと思います』って大口叩いたんです。......

その日(初めて書いた小説の提出後)はもう、
心臓ばくばく

(先生が)君、
もの書きの端くれやろ、
とっとと出しなさい、
と。
その言葉で、
火がついたんですね(笑)私、......

小説の場合は何をどう感じるかも含めてすべてを読者にゆだね、
その結果、
どう批評されるかも自分が引き受ける。
しかしコピーは、
どんな入り方をしても必ず商品、
企業に帰結させることが使命です。......

何より私は人の運ってあると思います。
案内してくださった人たちとの巡り逢いに背中を押され「書こう!」と

小四郎は不遇の中で、
人とかかわらざるを得なくなります。
強くなれ!という願いを込めて書きました

若い間はもっと羽目を外してみたら?
どうせ人生は計画通りには進まへんのやから、
道を逸れたり穴に落ちたりしても、
また始められるんとちゃうの?
と。
私は今思い出しても青ざめるような失敗を数々やらかしてきましたが(笑)ね

生活キャリアが長いので、
世の中にはお金で片がつくことも多い、
それは身をもって知っている。
それでも、
もし願うことを許されるならば、
私は一生、......

やめようとは一寸たりとも思えなかった。
何十年もかかって、
やっと「小説を書くこと」を始めたのだ。
何を失っても、
これだけは私の人生から手放したくなかった

そもそも仕事を持ちながら家事をする私がもう一つの仕事を持つということは、
周囲への影響が大きい。
締め切りの前になれば徹夜することもあるので、
次の日は使いものにならなかったりする

沖縄の親戚にも聞いたが、
マカテという名の意味が分からない。
意味探しはやめようとも思ったけど、
分かるものなら知りたい

私には4分の1、
沖縄の血が流れている。
落ち着いて執筆に取り掛かれるようになったら、
沖縄のことも書いてみたい

現在いくつかの短編を執筆中ですが、
これからも読者の胸を躍らせる物語をお届けしていきたいですね

本当に嫌な奴、
悪い奴を徹底して突き放して見るというのも、
書き手としては挑戦したいところ

私はどちらかというと軽ろみのある明るいものを好んで書いてきましたが、
『恋歌』で厳然とした史実に取り組んでみて、
歴史上の人物を自分なりの解釈で描く道も広がったように思いますね

大学では平安末期を専攻しましたが西鶴や近松の授業も面白くて。
興味の赴くままに買い集めた本は今も手元にあり、
自分自身の土壌になっています

高校時代からなぜか国語と古文だけは出来たので、
やっぱり好きだったんですよね

物心付いた時から本が大好きで、
小学生の時には「小説家になりたい」と口走っていたようですね(笑)

『恋歌』は歴史小説ですが、
ただ史実を書くのではなく私にとっては恋愛小説であり、
女たちの再生の物語。
彼女たちが力強く生きることで失われた生を継いでいくことができるし、
そういう積み重ねの上に私たちは今ここにいるのだという想いを感じますね。
女性の方にこそ読んでいただきたい物語です