まったく関わりない偶然としての幸運などない。積み重ねた努力や、そうした自分を盛り上げてくれる人たちに応えようとする気力が、無意識のうちに局面に最良の一手としての “強運 を導いてくれるのではないか

負けた時に悔しいという気持ちは常にあります

ある人は、碁は、しまうときは白黒と二つのゴケに入れるが、将棋は一つの駒箱におさめ、戦い終わると敵も味方もない、といって将棋の美風を讃えた。まったく同感である。将棋は盤上の攻防は峻烈で、勝負そのものはきびしいものであるが、その精神はあくまでも仏心である

（囲碁上達の秘訣は）僕は勉強することが嫌いでしたので実戦をたくさん打つことですね

（中学２年生でプロ棋士になった当時を振り返って）まだ、プロとしての実感があったとは思えません。ただ、一生将棋を指していけるという喜びは心に残っています

今は最善なんだけど、それは今の時点であって、今はすでに過去なんです

安全な手は最善な策ではない。安全な手は90何点の手で、最善の手を打ち続けられれば、いつかは追いつかれ、追い越される

好調なときに運が向いてくれば、誰でも優勝はできる。しかし、一回優勝したからといって、それがトップではない。優勝を続けることが、本当のトップということなのだ

（羽生善治さんについて）憧れからは抜け出さないといけないと思います

イチかバチかのやけっぱちみたいなことをやるのを、勝負師という人があるが、これは間違いです。そういうのは勝負師とはいわない、賭博師という

小さい頃から、負けると必ず泣いていた。その勝てるという自信はどこからくるのかわからぬほどの負けず嫌い。どんな試合に臨むときも、緊張よりワクワクが勝った。囲碁のおもしろさはどんどん増していく

詰将棋は、手数に応じて深く読んで、しかもそれが全部最善手だと、一人で確認できるということが大きい。「読み」の練習に最も役立つと私が勧めるゆえんである