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(能を)退屈だと言うのを否定してはいけませんよ。
それよりも、
なぜそうなのかを考えるべきです
梅若玄祥
名言カテゴリ
#文化
梅若玄祥
梅若玄祥(うめわかげんしょう)は、シテ方観世流の一派で能楽師、梅若家の名跡。
人物カテゴリ
#文化
梅若玄祥の名言
私は、能楽師仲間には「演じるところから始めよう」と言うんです。役者は学者と違います。実演が大切です
原石を磨く過程に迫るのは、すごく面白い
面白いからやるわけじゃないんです。もちろん面白さはありますが、それは二の次。掘り起こした曲が、なぜ歴史の中に埋もれたのか。長い時を越えて今、この曲はよみがえるべきではないか、今なら受け入れられるんじゃないか、といったことを考えながら取り組むことが大事です
私は、“玄祥ワールドを作りたくてやっているわけではありません。我が儘に作りたくないのです。皆さんには、自由に発言してくださいと申し上げている。そして皆で作り、皆のものにしたい。もっとも、かなり我が儘もいいますけれども(笑)
復曲、新作を手掛けることについては、協力してくださる方々がいなければ成り立ちません。三役の諸先生方のご協力があってこそと、常々感謝しています。また研究者の方々、演出等を支えてくださる方々など、能楽師以外の方の協力も大切です
現行曲を検討し、能の一期一会のあり方、その良さを改めて感じることができました。その流れで、三十代から復曲、新作に取り組むようになりました
『風姿花伝』も間違えて読んだら、えらいことになりますよ
1回演じた後の反省は、自分の中にためることになります。それもいい点があります。ためたことを、ほかの演目に活かす道があるからです。それが能の良さでもありますね
研ぎ澄まされた「井筒」の宝石だけを見て、「これが能です」と威張っても仕方がない。磨く途中のことを考える・・・・そうすれば、考えることそのものが能に関わる皆の伝承になっていくんじゃないでしょうか
演者は、新曲に取り組みたいものですが、能は1回限り、一期一会ですからね。できる曲が限られています。ある曲を演じて、次にやるのは3、4年先、あるいは一生演じないかもしれない
「井筒」は削ぎ落とされて今のかたちになりました。その削ぎ落とす過程、原石を磨き上げてきた幾多の演者たちの心に、思いを致すことが大事です
「弱法師」では、昔は四天王寺界隈の賑やかさが描かれていましたが、今はそれをあまり感じません。それよりも、父と子、人対人の関係性を凝縮して演じます。かたや昔の演出では、ひとりの芸能者としての弱法師の姿がくっきりと浮かぶ。今と昔、それぞれの演出で演じることで、お互いの足りないところを補えます
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人間って一人で仕事をしていることってないですね。たとえ山の中で黙々と一人で木を切っていたって、親とか師匠とかの視線を心の中に持っている。ずさんな仕事をすればあとで仲間に伝わる
せっかく日本人に生まれたのだから、歌舞伎を知った上で海外の文化にも興味があるというのがいいと思うんです
「僕が上方歌舞伎を担っていかなきゃ」とか、そんな大層なことは思っていません。本当に素敵な先輩がたくさんいらっしゃるし、自分もその中の力の一部になれればいいな、という思いぐらいで
ただ、面白い芝居をやりたいだけ
(「日本人のアイデンティティ」とは)雑食性ですね。前の文化を否定せず、すべて捨てずに次の時代へ引き継ぐ性質です
(役になりきる事が)いかに大事でどれだけ難しいか。できる限りの準備は当然のこと
でも、ちょっとの待ち時間にお話したりすると面白くて、優しい方ですね。向き合うシーンは火花が散る感じなんですけれど、現場は和気藹々とやらせていただいています
(「カーテンコールをやろう」という父親に「歌舞伎にカーテンコールなんてないからやめた方がいい」と止めた時代を振り返ったときの言葉)お客さんの拍手が鳴り止まなくて、自然にカーテンコールになっちゃって。後ろからオヤジを見ていたら、もう涙があふれて止まらなくなっちゃった。僕はなんであんなことを言っちゃったんだろう。オヤジはこんな息子をどう思ったんだろうって、今でも頭をよぎることがあります
全般的に上方のお芝居の匂いを大事にして、少しでも先輩から吸収していければなと思いますね
ただ、役者として立派なだけじゃあダメ。人間としてもちゃんとしてもらいたい。僕のおじいさん(六代目尾上菊五郎)は“偉い人でも物乞いでも、対する時は同じ態度であれとおふくろを育てたそうですが、おやじ(十七代目中村勘三郎)もまったく同じ方針でした。僕と女房も、それだけは息子たちに伝えたいと思っています。誰に対しても態度を変えない。そして情がある。そんなことを伝えていけたならうれしいですね
(歌舞伎では、最初にどんなことを教わる?)まずは踊りが基本ですね
身のうちから突き上げるように満ちてくるものなのです