体が華奢なので、初めて会う方によく驚かれます

65歳のおじいちゃんがエベレストというと気が遠くなりますが、ちゃんと計画を立てれば出来るものなんです。まずは、富士山、次はヒマラヤ。5000m級、6000m級、7000m級とやっていけばいいんです

私は先へ進まなければならない。憂鬱でも気が重くても、それが私の運命のようなものなのだから、勇気をふるい起こして、先へ進まなければならない

みんな、それぞれが、何か新しいことをやる、それはすべて冒険だと、僕は思うんです

私自身が「運が良かった」と認めてしまうことは、命を落としたアーネとアーンツの家族に対して、「運が悪かったですね」と言うのと同じことです

父から学んだことは、年齢に関係なく、好きなことに熱中する姿ですね。白寿（９９歳）でモンブランを滑ったあと、ホテルの部屋に戻ってシャワーを浴びてベッドにドンと腰かけて「いやあ、わしゃ今生の別れのつもりだった」と言うんです。要するに死んでもいい覚悟でやったと。その言葉を鮮明に覚えています

人の目につくような登山より、このエーデルワイスのように誰にも気づかれず、自然の冒険を自分のものとして登山をする。これこそ単独で登っている自分があこがれていたものではないかと思った

私にとって経験とは、積み重ねるものではなく、並べるものなのです

世界最高の気持ちです。まさか80歳でエベレストの頂上にたどり着くとは

山というのは一つとして同じ山はない。同じ山を登るのでも季節が変われば条件はまったく違いますし、時間によっても山は表情を変えることがあります。ですから、一度登ったからあとは大丈夫、ということは絶対にありません

小さなチャレンジでもかまわない

いつもゼロの状態から始めたい。できることならマイナスからスタートしたい、といつも思っています