群衆の一員でいることはまったく気楽なことだ。

政治家のわれわれ素人よりも政治上の知識を誇りうるのは紛紛たる事実の知識だけである。畢竟某党の某首領はどういう帽子をかぶっているかというのと大差ない知識ばかりである

もしある人が自分の不幸な出来事について話したら、そこには何か楽しんでいるものがあると思って差し支えない。なぜならば、本当に惨めさだけしかないとしたら、その人はそんなことを口にしないだろうから

目的に向かって一筋に進むのはいい。しかし、馬車馬のように脇目も振らずはあまり感心しない。目的を遂げても視野が狭く偏狭な人間になりがちで、人間関係が難しくなる。一筋に目指しても左右の道草を見るぐらいの余裕がほしい

ひとつひとつの悲しみには意味がある。時には、思いもよらない意味がある。どんな悲しみであろうと、それは、このうえなく大切・・

包帯を巻いてあげられないのなら、むやみに人の傷にふれてはならない。

愛の舞台に上って馬鹿らしい役割を演じるのは、いつでも男だ

苦しみが性格を高潔にするというのは嘘だ。幸福は場合によってそうだが、苦しみはたいていは人間を弱くし、執念深くする

悩みは仕事よりも多くの人を殺す──悩みを奪い合う人間の数は、仕事を奪い合う人間の数より多いからだ。

仕事は退屈と悪事と貧乏とを遠ざける。

人間とロバとの違いについていろいろ観察がなされたものの、全く違いはないとのこと。が、それではロバが気の毒というものだ

金だけでできることは面白くない。金だけではＦ１チームは作れない。ノウハウの蓄積が必要で、そのノウハウは自分で手に入れない限り、誰も教えてくれない。そして、この世の中で面白いことはすべて 不動産屋的発想ではできない。この種の発想に寄ってくるのは男も女もカスばかりだ