名言
「あすは檜(ひのき)になろう、
あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。
でも、
永久に檜にはなれないんだって!それであすなろって言うのよ」
「僕だけかな」
「何が?
」
「あすなろなのは!」
「だって貴方はあすなろでさえもないじゃありませんか。
あすなろは、
一生懸命に明日は檜になろうと思っているでしょう。
貴方は何にもなろうとも思っていらっしゃらない」
井上靖
井上靖
井上 靖(いのうえ やすし、1907年(明治40年)5月6日 - 1991年(平成3年)1月29日)は、日本の小説家・詩人。主な代表作は、「闘牛」「氷壁」(現代小説)、「風林火山」(時代小説)、「天平の甍」「おろしや国酔夢譚」(歴史小説)、「敦煌」「孔子」(西域小説)、「あすなろ物語」「しろばんば」(自伝的小説)、「わが母の記」(私小説)など。