名言大学

平和な仲のよい夫婦ほどお互いにむずかしい努力をしあっているのだ、
と云(い)うことを見遁(みのが)してはならない。

花が露によって一層美しい如く、
涙の中の悲しい愛も、
それゆえに美しい愛である。

いかに見栄えのしない草でも春とともに花になるように、
人は恋することによってそれ自身を花咲かせる。

花の咲く草ばかりでなく、
名もない雑草も、
とげ草も、
矢張り野に生(お)うる権利を授かっている。

人にお世辞を云うのは、
云う人が考えるほど効果的ではない。

愛と憎しみは双生児である。
愛すればこそ憎むし、
憎むほどの想いがあって初めて愛するのだ。

人間もときどき地球をはなれて火星に転地旅行でもすることができるようになったら、
今より地球のことも客観的に考えられて、
人・・

野上 弥生子(のがみ やえこ、本名:野上 ヤヱ〈のがみ やゑ〉、旧姓:小手川、1885年〈明治18年〉5月6日 - 1985年〈昭和60年〉3月30日)は、日本の小説家。大分県臼杵市生まれ。夏目漱石の紹介で『縁』を発表して以来、写実主義に根差す作風と、理知的リアリズムとで市民的良識を描き続け、明治から昭和末期まで80年余の作家活動を行った。芸術院会員。文化勲章受章。