我々は人生において、しばしば、様々な姿に変装した自分の分身と出会う

父から学んだことは、年齢に関係なく、好きなことに熱中する姿ですね。白寿（９９歳）でモンブランを滑ったあと、ホテルの部屋に戻ってシャワーを浴びてベッドにドンと腰かけて「いやあ、わしゃ今生の別れのつもりだった」と言うんです。要するに死んでもいい覚悟でやったと。その言葉を鮮明に覚えています

お金なんて稼ぎたくないの。私はただ素敵な人間になりたいだけよ

本気出せば必ず世界は答えてくれる

自分は合わないと思い知っていた。しかもなお、学校が港のように見える。お前は何か、と問われて、学生です、と答えられるような、そういう明快な生き方が、なんとなくうらやましい。私は、友人や仲間には一言も口外しなかったけれど、親たちには、そのうち自分も進学するつもりだと言っていた

ものを言わぬ宝石のほうが、どんな人間の言葉よりも、とかく女心を動かすものである

問題になっていることに沈黙するようになったとき、我々の命は終わりに向かい始める

人を用うるの法、大才能の人は始めより大任重職を命ず。しかしてその人また自ら奮励し、大いにその忠思をのぶること、なお時雨（しぐれ）の化（か）するがごとし。もし大才能の人を些事賤役（些細なつまらない仕事）に役使すれば、その人必ず厭怠（えんたい）してこれが用たらず

お母さんよりも、お父さんよりも、大切な人を探すのが、人生かもしれない

人間の間で理解し合えると思い込めるのは「趣味や嗜好」言いかえれば「感受性」の領域に入らない限りのこと

物事を完成させるという尊い考え方と共に、手をつけずに放っておくという尊い考え方もある。人生の知恵の本質は不必要なものを取り除くことにあるのだ

落語は人間の小ささを大切にする。始末の悪さ、愚かさをそのまま語る。こういう人間の業(ごう)を肯定してしまうところに、落語の物凄さがある