最後の最後まであきらめずに、人類の新しい分野のフロントランナーとして挑むことが僕の生きる原動力になっています

できない理由より、できる理由を考える

いや、オレはなんとしてでもやらねばならないのだ。単独登攀はいつの場合にも危険なのはわかっている。それを承知の上でやっているのだから、自分で危険に直面もせず、他人にいわれただけで中止するとはまったくいい訳にもならない

（下山は）登りより、はるかに危なかった。一歩間違えたら死んじゃうので。生涯でこれほど疲れたことはない

愚かと言われるくらい人の理解を超えた新しい分野に挑戦することが必要です。それを成し遂げてはじめて、新しい時代、あるいは自分自身がひらけるのですから

最後は「これができたら死んでもいい」というほどの覚悟。それさえあれば自分の中で揺るぎない目標設定をして、計画的に準備を重ねることができるし不安やストレスさえもエネルギーになります

経験というのはとても怖いものでもあって、それを積むと、その分だけ分かっているからと想像しなくなっちゃう危険性もあるんです

山で偶然出会った人など大勢の方が、身動きのできない私を日本の病院までリレー搬送してくれた。私自身は、彼らに感謝しながら、心の中は自分に対する怒りでいっぱいでした

再びやる気になっても、初めはまさに醜態をさらす状態でした。札幌の自宅から藻岩山に登ってみたんですが、過去の栄光は見る影もない。「たかが５００メートルの小山」と思っていたのに、途中で息が切れて先に進めなくなった。その横を７０歳、８０歳の人たちがスイスイ追い越していくんです。世界のミウラの横をですよ

不安な時は小さなことでもいい、今できる行動を起こすこと

エベレストには、スポンサーのお金を使って大勢の人を巻き込んで挑むのですから、成功することがスポンサーへの当然のお返しだと思っています

20歳の人が8000m級の山に行くと90歳の身体能力に落ちてしまうんですが、僕は80歳だからプラスして150歳くらいに加齢されるんじゃないでしょうか。人間の生存不可能な次元に入っていかざるを得ないのですが、それをどう超えるかという好奇心に突き動かされています