松のことは松に習え、竹のことは竹に習え

父は歌舞伎の場合は「役が6割の役者4割ぐらいで演じたほうがいい」と言っていました

歌舞伎からエログロ（わけのわからない魅力）を取ったら、何も残らない

（若い役者に）夢や目標を持てるようにすることも大事です

クリエイターもスタッフも育ってきたと自負しています

芸術と娯楽、両方あるのが歌舞伎。それが歌舞伎の強さ、奥の深さと思います

（どなたに多く教わりましたか？）成駒屋のおじさん（中村歌右衛門）と（尾上）梅幸のおじさんです

歌舞伎は伝承ですから、いくら資料が残っていても、父が役を演じてどう感じたのかとか直接聞けないのは痛手と言うか・・・・

演じる前は、自分に合わないと思った役でも、勤めてみて世界が開けることもあります

私は「家で守って役者は攻めろ」とよく言っています。守りとは攻めでもある。攻守両方なくてはなりません。流儀、家があって、かたちを守る。あとは個々の役者として、皆が攻めていく。そういう状況になれば、能楽界はもっともっと面白くなると思います

（狂言の芸が使えない局面もありましたか）仏教の五戒（殺生、偸盗、邪淫、妄語、飲酒〈おんとう〉）でいう殺生と邪淫の部分です。狂言には「すっぱ」と呼ばれる小悪党は登場しますが、絶対に人を殺しません。せいぜい盗みや、ばくち打ち、虚言を吐くなど、かわいげのある悪事を働く程度です（笑）

私は、“玄祥ワールドを作りたくてやっているわけではありません。我が儘に作りたくないのです。皆さんには、自由に発言してくださいと申し上げている。そして皆で作り、皆のものにしたい。もっとも、かなり我が儘もいいますけれども（笑）