名言
最初の回訓を受理した日は、
一晩中私は考えた。
考えつくした。
回訓を、
文字通り民衆に伝えれば、
そしてその通り実行すれば、
私は本省に対して従順であるとして、
ほめられこそすれ、
と考えた。
仮に当事者が私でなく、
他の誰かであったとすれば、
恐らく百人が百人、
東京の回訓通り、
ビザ拒否の道を選んだだろう。
それは、
何よりも、
文官服務規程方、
何条かの違反に対する昇進停止、
乃至、
馘首が恐ろしいからである。
私も、
何をかくそう、
回訓を受けた日、
一晩中考えた
杉原千畝