あら楽し　思いははるる 身は捨つる　浮世の月に　かかる雲なし

自由と我儘（わがまま）との界は、他人の妨げをなすとなさざるとの間にあり

若し図にあたらぬとき、犬死などと云ふは、上方風の打ち上がりたる武道なるべし。二つ一つの場合に、図にあたることのわかることは、到底出来ざることなり。我れ人共に、等しく生きる方が、万々望むかたなれば、其の好むかたに理がつくべし

まず自分の行状を正しくし、理非賞罰をはっきりさせていれば、叱ったり脅したりしなくても、自然に威は備わるものだ

一度、学問に入らば、大いに学問すべし。農たらば大農となれ、商たらば大商となれ

ひとこと忠告したい。後進の青年諸君。もし他人の仕事に不満だったら、自分でその仕事を試みてみたまえ。他人の商売のやり方がまずいと思ったら、自分でその商売をやってみたまえ。隣家の生活がずさんに思えたら、自分の家で試してみたまえ。

成功したければ、踏みならされた道を選ぶな

いさめてくれる部下は、一番槍をする勇士より値打ちがある

人間には必ず相口（あいくち）、不相口というのがある。相口というのは、他人の心をよく知ってそれに合わせる事だ。不相口というのは、逆らって異見を言う者をいう

合戦の勝負　必ずしも大勢小勢に依らず　ただ士卒の志を一つにするとせざるとなり

観の目強く、見の目弱く、遠き所をちかく見、近き所を遠く見る事、兵法の専也

一年も居馴れてしまえば、ちょうど冬の寝床のように自分の体温のぬくもりが江戸という寝床に伝わってしまう。そうなれば住みやすくはあるが、物を考えなくなる。寝床は冷ややかなほうがいい