信玄のような敵将の死を味方が喜ぶ理はない

一理に達すれば万法に通ず

金を手にして好い気になるのは、愚か者だけ

人には出来不出来はあるものにて候

この難を逃げ候こと本懐にあらず

私は、いかなる逆境も、好機に変える努力をした

過ちが有りながら拾った勝ちは、やがては敵の勝利につながる！

奉公の道に油断してはならない。朝は辰刻（７時〜９時）に起きて兵法を使い、飯を食い、弓を射、鉄砲を撃ち、馬に乗るがよい。武士の嗜みのよい者には、とくに昇進させるだろう

孤軍援け絶え囚俘となる　顧みて君恩を念(おも)へば涙さらに流る　一片の丹衷よく節に殉ず　雎陽(すいよう)千古これ吾が儔(とも)なり

青梅、酒を煮て、英雄を論ず

将たる者が武を忘れたならば、軍法がすたり、家中の侍たちも自然と心が柔弱となり、武道の嗜みなく、武芸も怠り、武具も不足し、塵に埋もれ、弓槍の柄（え）は虫の住みかとなり、鉄砲は錆び腐って、役に立たなくなる。軍法も定まっていないから、もし兵乱が起こった場合には、どうしたならばよかろうと、驚き騒ぎ、喉がかわいてから井戸を掘るようなことになろう。武将の家に生まれたからには、しばらくも武の道を忘れてはならぬ

いざとなれば損得を度外視できるその性根、世のなかに、それを持つ人間ほど怖い相手はない