お陰で僕はエベレストからのパラシュート直滑降に成功し、映像はオスカーをもらうことができました。アメリカ前大統領のジミー・カーターさんは、僕の映像を20回以上観てくれたそうで「人間の勇気、夢をあきらめない姿に感動した」と言ってもらえて、そんな嬉しいことも起こるんです

多くの会社を回ろうと、計画書をもって私もずいぶん歩きました。しかし、全然相手にされず、女性だけでヒマラヤ登山ができるはずはないとか、90％以上の可能性がなければ社として援助はできないとか、私の年齢などまで質問され、人からお金をもらうとはこのようなことなのだと理解しました

成功するしないは関係なく、挑戦としてやってみたいならそれはある意味成功。大事なのは結果ではなく、やっている過程が楽しめるかどうかだから

楽しい＝楽ではなく、つらいこと、困難なことを楽しむこと。それさえできれば、誰もが人生の成功者になれる

僕は頂上に着くとよく泣く。嬉しいからではない。それだけ苦しかったから泣くことができるということだ。苦しみと喜びは振り子のようになっている。「こんなに苦しいから最悪なんだ」ではない。それほど苦しいということは、そのぶん、喜びがその先に待っているということだ。だから苦しいまま終わらせてしまうのはもったいないと思う

何が何でもマッキンリー登るぞ

過去を振り返ってみると、僕は何か目標や夢を持っても、「自分にはきっとここまでしかできないだろう」と考え、いろいろな壁を感じていたと思う

生と死の狭間で「生きる」僕の姿を、同世代の若い人たちにリアルなメッセージとして伝えたいのだ

気が狂いそうな単調さに耐えぬき、弱音を吐きたがる自分に打ち克つ以外にない。進むこと、ひたすら前へ進むこと

人の目につくような登山より、このエーデルワイスのように誰にも気づかれず、自然の冒険を自分のものとして登山をする。これこそ単独で登っている自分があこがれていたものではないかと思った

想像の世界を飛び回ろう。想像が現実を作る

生きることは、何かに一生懸命打ち込んで、そこに向かって命を燃やしていくこと