日本には世界に誇るべき思想がふたつあります。ひとつはSyncretism(シンクレティズム)、神仏混淆という考え方です。仏壇と神棚が同居していても争いにならない。一神教同士の原理主義的な宗教対立が先鋭化して世界の発展を阻害している時代だからこそ、共存思想が輝きを放つのです。もうひとつが、Animism(アニミズム)、山にも川にも、一木一草にも精霊や神が宿るという考え方です。今日の環境問題の根底には西欧的な人間中心主義があります。人間も地球の一員という発想は、アニミズムの根からしか生まれてきません