名言大学

つまりだますものだけでは戦争は起らない。
だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、
・・

「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、
おそらく今後も何度でもだまされるだろう。
いや、
現在でもすでに別のうそ・・

便宜主義による解決の最も典型的な行き方は、
人間による判断を一切省略して、
その人の地位や職能によつて判断する方法である。

だまされたということは、
不正者による被害を意味するが、
しかしだまされたものは正しいとは、
古来いかなる辞書にも決して書い・・

一度だまされたら、
二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。

「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、
一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を・・

戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、
それ以上に現在の日本に必要なことは、
まず国民全体がだまされたということの・・

騙されるのもまた悪である。

我々は昔から「不明を謝す」という一つの表現を持つている。
これは明らかに知能の不足を罪と認める思想にほかならぬ。
つまり、
・・

だまされるということ自体がすでに一つの悪である

いくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである。

だまされるということはもちろん知識の不足からもくるが、
半分は信念すなわち意志の薄弱からくるのである。

だまされたものの罪は、
ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、
あんなにも造作なくだまされるほど批判力・・

我々は、
はからずも、
いま政治的には一応解放された。
しかしいままで、
奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担・・

伊丹 万作(いたみ まんさく、1900年(明治33年)1月2日 - 1946年(昭和21年)9月21日)は、日本の映画監督、脚本家、俳優、エッセイスト、挿絵画家。本名は池内 義豊(いけうち よしとよ)。