名言大学

天の将に大任を是の人に降さんとするや、
必ず先ずその心を苦しむ(天は、
大任を任せて大丈夫な人物かどうかを試すために、
まず困難を与えて、
その心を苦しませてみるのだ)

死生命あり。
富貴天にあり。
君子は敬して失ふことなく、
人と恭しくして礼あらば、
四海のうち、
みな兄弟なりと(死ぬ生きるは天命、......

仁は人の心なり。
義は人の路なり(他人を思いやる心こそ、
人の心である。
道徳にかなった行動こそ、
人の道である)

若(かくのごと)き為す所を以って、
若き欲する所を求むるは、
猶(なお)木に縁りて魚を求むるがごとし(しかし、
今、
王が考えておられる方法で天下統一の望みを達成しようとするのは、
木によじ登って魚を取ろうとするのと同じことです)

夫婦別あり(夫婦間にも、
礼儀や遠慮が必要である)

惻隠の情無きは人に非ず(人のために泣く奴しか信用できない)

直さざればすなわち道見れず(過ちを直さなければ進むべき道は見えてこない)

爾は爾為り、
我は我為り(私の傍らで裸になったり、
不作法な行いをするものがいても、
お前はお前だ、
私は私だ。
その不作法な行いで、......

大人に説くには、
則ち之を軽んぜよ(偉い人を説得するにはまず相手を呑んでかかれ)

飢えたる者は食を為し易し(空腹の者はなんでもおいしく食べられるように,悪政に苦しめられていた人はささやかな仁政でもとても喜ぶこと。
飢えては食を択(えら)ばず)

恒産なきものは恒心なし(一定の財産や定まった職業がなければ、
定まった正しい心を持つことができない。
物質面(生活)での安定がないと、
精神面(心)が不安定になる)

予、
三宿して昼を出ずるも、
予が心に於いては猶お速しと以為えり。
王よ庶幾わくは之を改めよ。
王如し諸を改むれば、
則ち必ず予を反さん。......

心を養うは寡欲より善きはなし(心を養うには、
欲を少なくするのが最も効果的だ)

如し予をして富まんと欲せしむれば、
十万を辞して万を受けんこと、
是れ富まんと欲すると為さんや(もし私の力で国を興したければ、
十万鍾の俸禄を約束するべきです。
私はそれを辞退して、
一万鍾を受けましょう。......

為さざるなり、
能わざるに非ざるなり(できないのは、
やろうとしないからだ。
できないからではない)

敢えて請わざるのみ。
固より願う所なり(また会いたいと、
こちらからは望みませんが、
王とお会いするのは私としても嫌ではありません)

事は易きにあれどもこれを難きに求む(物事は本来は易しいものなのに、
難しく考えてしまうことから悩みが生まれる)

君に大過有れば則ち諫め、
之を反覆して聴かざれば、
則ち去る(君主が道理から外れていることをしていれば諫言をするが、
聞き入れられなければ、
その君主の下を去っていく)

至誠にして動かさざる者は、
未だ之あらざるなり(誠を尽くして人に接すれば、
心を動かさないものはこの世にいない)

仁を賊う者は之を賊と謂い、
義を賊う者は之を残と謂い、
残賊の人は之を一夫と謂う。
一夫の紂を誅せりとは聞けども、
未だ君を弑したりとは聞かず(仁を失った者は賊であり、
義を失った者は残であり、......

知恵ありと雖ども勢いに乗ずるに如かず(どんなに知力に優れた才人であっても、
時流に乗って勢いのある者には及ばない)

彼も一時此れも一時(世の中のことはすべて、
時とともに移り変わって一定しない。
栄枯盛衰も一時限りである)

主たる者ひそかに諫めて公にほめよ(人の上に立つ者は、
叱る時は人のいないところで叱り、
ほめる時は人前でほめるのがよい)

往く者は追わず来る者は拒まず(立ち去る者はあえて引きとめず、
道を求めてくる者は、
だれでも受け入れる。
去る者は追わず、
来(きた)る者は拒まず)

仰いで天に愧(は)じず、
俯(ふ)して地にはじず(心中に少しもやましいことがないから、
天に対しても地に対しても少しも恥ずかしくない)

天に順(したが)う者は存し、
天に逆らう者は亡(ほろ)ぶ(天、
即ち自然の道理に従う者は存続してゆけるが、
自然の道理に逆らう者は滅亡する)

志は、
気の師なり(目標を持てば、
気力は自然と湧いてくるもの)

仁者は敵なし(仁者は、
常に深い愛をもって人と交わるから敵というものがない)

木に緑りて負を求む(いくら頑張っても、
その方法が間違っていては成功は望めない)

悉く書を信ずれば則ち書無きに如かず(書物を読んでも、
批判の目を持たずに、
そのすべて信じてしまうなら、
かえって書物を読まないほうがよい)

道は近きにあり、
然るにこれを遠きに求む(先を読むこと。
ただし、
あまり遠い未来を読んでも意味がない)

親に親しむは仁なり、
長を敬するは義なり、
他は無し、
之を天下に逹するなり(親に親しむのは仁の精神である(他者への愛)。
兄を敬うのは義の精神である(他者との秩序感覚)。
なんということはない。......

聖人と我とは類を同じくする者なり(聖人だろうが、
凡人だろうが、
同じ人間だ。
そのことを理解すれば、
『凡人も努力して聖人になれる』 ことも、
『聖人が怠惰して凡人に成り下がる』 ことも、......

力をもって人を服するのは、
心から服するにあらず。
徳をもって人を服するは、
喜んで真に服するものなり(本当に人を制したいなら力ではなく徳で行う)

人の患いは好んで人の師となるにあり(人の患いは、
偉くもないのに自分から好んで人の師となろうとしたがることである)

揆を一にする(やり方を同じくする。
方法が同じである)

人を殺すに梃ていと刃を以てせば、
以て異なること有りや(それでは刃で人を殺すのと、
政治で人を殺すのでは異なることがありましょうか)

善を責むるは朋友の道なり(善を行うように強くすすめるのは友としての道である)

この日いつか喪びん。
予れ汝と共に亡びん(民がたとえ共に亡ぶことになっても悔いはないと欲するまでにその治世を怨んで居れば、
例え台池鳥獣があろうとも、
どうして君独りに本当の楽しみが有り得ましょうや)

尺を枉げて尋を直ぶ(短いもの(尺)を曲げて縮め,長いもの(尋)を長くのばす意で,小利を捨てて大利をとることのたとえ)

天のまさに大任をこの人に降さんとするや、
必ずその心志を苦しめ、
その筋骨を労せしめ、
その体膚を餓えしめ、
その身を空乏にし、
おこなうこと、......

千万人と雖も吾往かん(自ら省みて正しければ、
敵対者や反対者がどんなに多くとも、
恐れることなく自分の信ずる道を進もう)

人恒の言あり。
みな曰く、
天下国家と。
天下の本は国にあり。
国の本は家にあり。
家の本は身にあり(人々は口を開けば、......

地を易うれば皆然り(人の言動に違いがあるのは立場に違いがあるからで、
立場を変えれば同じになる)

五十歩百歩(多少の違いはあっても本質的には何も変わらないということ。
大した違いがない様)

敵国外患無き者は国恒に亡ぶ(敵国もなく外国との関係にも心配事のない国は、
国民全体に緊張感がなくなり必ず滅亡する)

楽しむに天下を以って、
憂うるに天下を以ってす(国民の楽しみを楽しみとし、
国民の心配を心配とするのが、
王としての道である)

科に盈(み)ちて後(のち)進む(学問は一歩一歩順に従って進めねばならない)

大体に従う者は大人となる(人間の本来備わった心の動きのままに行動すれば大人物になれる)

水の低きに就く如し(自然の勢いは止めることができないたとえ)

孟子(もうし、簡体字: 孟子、拼音: Mèngzǐ、紀元前372年? - 紀元前289年?)は、中国戦国時代の儒学者、思想家。姓は姫、氏は孟、諱は軻か、字は子輿しよか。亞聖あせいとも称される。「子」は先生という意味で尊称。孔子の孫である子思の門人に学業を受けたとされ、儒教(特に朱子学)では孔子に次いで重要な人物とされる。そのため儒教は別名「孔孟の教え」とも呼ばれる。

言行は『孟子』に纏まとめられている。性善説を主張し、仁義による王道政治を目指した。

本・作品