名言大学

終戦後の日本には何もなかったから、
人々は多くのモノを求めて働いてきた。
そして日本は、
モノがあふれる社会になった。
もういい加減、
求めることはセーブしたほうがいい

「幸福とは何か」という問いかけには答える気にならない

求めない-すると人の心が分かりはじめる だって、
利害損得でない目で見るから

求めない-するともっと大切なものが見えてくる それはすでに持っているものの中にある

求めない――すると失望しない

誤解しないでほしい。
求めないと言ったって、
どうしても人間は求める存在なんだ

いつも何かに閉じ込められている。
それが社会で生きているということ

動物園の檻に入れられた動物たちと同じようなものだ。
社会のなかには様々な檻が存在している。
そこにいる窮屈さから逃げ出そうと、
もがいている人間もいるだろう。
本当の生き場所に行こうとしてね。
でもそれは無意味なことだ。......

求めない ――すると比べなくなる

すべての欲望を捨て去ることなどできない。
また、
そこまでする必要もない。
ただ、
あまりにも不必要なものに囲まれていると、
自分とは何者なのかが見えにくくなってくる

自分にとってほんとうに必要なものは何か。
不必要なものまで求め過ぎていないか

僕が「求めない」というのは求めないで済むことは求めないってことなんだ。
すると体の中にある命が動きだす。
それは喜びにつながっている

あらゆる生物は求めている。
命全体で求めている。
一茎の草でもね。
でも、
花を咲かせたあとは静かに次の変化を待つ。
そんな草花を少しは見習いたい

ボクも30代、
40代のころは(大学教授、
翻訳家などとして)社会の中に入り務めも果たした。
ただ、
それは「競争社会での喜び」であって「生きている喜び」じゃないんだよ

みんな競争に夢中になって、
「負けまい、
負けまい」と懸命に働く。
会社のためにエネルギーの80%も使ってしまう。
どうしてそんなに競争に勝つことばかり求めたがるのかな?
恐らくレールから外れるのが「怖い」からだね。......

求めない――すると改めて人間は求めるものだと知る

求めない――すると今持っているものがイキイキとしてくる

求めない――すると今、
十分に持っていると気づく

求めない――するとそれでも案外生きてゆけると知る

求めない――すると人との調和が起こる

求めない――すると自分の時計が回り出す

求めない――すると求めなくっても平気だと知る

求めない――するといま在る自分をそのまま見はじめる

求めない――すると心が静かになる

「社会の自分」をまったくゼロにしてしまったら生きてはゆけない。
要はバランスなんだよ。
現代人は、
ちょっとそちらへ“偏り過ぎているから「はじめの自分(自然の自分)」を取り戻さなきゃいけないんだ

30代、
40代というのは、
社会的にも家庭的にも責任のある地位に就く時期だから“ダブルの縛りに遭うんだな。
付き合う人もだんだんと、
その“縛りの中だけになってゆく

ボクは「都会の競争」から外れて田舎の教師(信州大学講師)になった。
そのころは一番活躍していたから、
みんなからは、
「加島はバカだな」っていわれたけど

母親は、
なるたけ子供は放っておくことさ。
そして自分の好きなことをさせる。
すると、
社会へ出ても自分の方向にいく

子供は健全だよ。
「はじめの自分(自然の自分)」の割合が多いからね。
大学、
社会人と進むうちに「社会の自分」の比率が大きくなっちゃう

子供は誰だって自分で馬に乗って勝手に歩き回りたいんだよ

親も自分が育ったときに「怖かった」んだよ。
だから、
自分の子供は競争社会の中で、
できるだけいいレールに乗せたい。
教育もそのレールに乗っかっている。
外れるのが恐怖なんだ

「過保護」は一種の虐待なんだ。
親は子供そのものを受け入れることが大切。
自由な気持ちや、
伸びてゆくものを受け入れてやるべきだよ

(家庭で逃げ場がない子供とは?
)親のイメージの中に子供を閉じ込めてしまう。
いい学校に入って、
いい会社に就職して・・と将来のレールを敷き、
子供に自由を与えない。
そうすると子供も親の喜ぶことばかりやるようになる

最近のいじめの問題については、
メディアが過剰に報道し、
社会も過剰に反応している部分もあるんじゃないかと思っている

「ダメな自分」であっても「ダメ」と決めつけないことだよ

自然に目を向ける。
すると他の人の中にも見えてくる。
自分のどこがアンバランスだったか分かるんだよ

みんな、
赤ちゃんのときは、
素直で明るくて、
善の性を持っていただろう?
「はじめの自分」にはその人の命を助け、
成長させるエネルギーがあり、......

自然というのは、
こんな激しい災害(東日本大震災)をもたらすと同時に、
再生する優しい能力も持っている。
あらゆる生物を育てる能力も持っている。
人間はその自然と繋がり、
ともに生きる存在なんだよ

人間も、
でっかい何かに繋(つな)がっているんだよ。
アタマが分かんないだけで、
きっとカラダは知っているんだと思う

「死」というのは無駄に消えるんじゃない。
また何かの形でいかされるんだと思う。
その変化だけを受け入れればいい

いつまでも過去(悲しみ)を引きずっている自分を望んではいない。
寂しさや恐れは、
過去や未来にとらわれた自分から来る

ボクも昔は本能的に自由に生きたいと思い込んで、
「家庭など決して持つまい」と考えていた。
でもね、
実際に子供ができてみると、
かわいいもんなんだよ、
これが

加島 祥造(かじま しょうぞう、1923年1月12日 - 2015年12月25日)は、日本の詩人、アメリカ文学研究者、翻訳家、随筆家、タオイスト、墨彩画家。詩作のみならず、アメリカ文学の翻訳にて名声を得た後、壮年期より漢詩を経て老荘思想に大きな影響を受け、文筆のみならず絵画なども含めた幅広い創作活動や執筆活動を通して、西洋と東洋の双方を見渡す位置からタオイストとしての一貫した姿勢を私生活でも死去するまで徹底した。