（萬斎さんは厳しい師匠ですね）そりゃ稽古中はコワイですよ（笑）でも狂言の楽しさも教えながらでないと、付いてこられない。僕が15歳のころは、狂言が楽しいとは全然思えなかったですから

偉大すぎる父を持って大変なことはないかと言われることもあるけど、ないよね

（「カーテンコールをやろう」という父親に「歌舞伎にカーテンコールなんてないからやめた方がいい」と止めた時代を振り返ったときの言葉）お客さんの拍手が鳴り止まなくて、自然にカーテンコールになっちゃって。後ろからオヤジを見ていたら、もう涙があふれて止まらなくなっちゃった。僕はなんであんなことを言っちゃったんだろう。オヤジはこんな息子をどう思ったんだろうって、今でも頭をよぎることがあります

古典を化石にせず、生きた古典にしたい

『風姿花伝』も間違えて読んだら、えらいことになりますよ

小さい時から、いろんな方々に色々教えていただいて、父が早くにいなくなったことで、得した、ということかなぁ

（長男の現勘九郎、次男の七之助の初舞台を控えた時の言葉）（自分の初舞台は）子供心にもいい気持ちになったのがついこの間のようなのに、もう２７年もたったんですね。親としては何か落ち着きません

単に混ぜ合わせるだけでなく結びつけることで別の新しいものになる。それが日本文化の良いところだと思うんです

若い娘と女房役とでは声も違う。意識して変えていません。役をつかまえ、役になりきると自然に変わるもの

生意気の上に、努力が加わらないといけません。そうすれば皆が納得する。努力できる役者づくりが、能を活性化する一番だと私は思っています。これ以外ないでしょう

僕の場合、子どもも芝居やってるんですよ。僕の親も芝居やってたから、自分はその間の中継ぎって感じで生きていますね。うちのオヤジがやったことが、僕の肉体や考えを通して子どもに伝えられていく。先輩の芸を後輩に受け流しているような気がします

（歌舞伎では、最初にどんなことを教わる？）まずは踊りが基本ですね