どこに陣を取っても、清正に知らせずに、乱暴狼籍に身分の低い者をこき使う者があったならば、その主人の責任として成敗を加える。この旨、下々人足以下の者にまでよくいい聞かせよ。これからは、いかに勇敢に戦っても、掟に従わなかったら、何事も不用になる

地を易うれば皆然り（人の言動に違いがあるのは立場に違いがあるからで、立場を変えれば同じになる）

その子を知らざれば、その友を視みよ。その君を知らざれば、その左右を視よ

心に自慢なき時は人の善を知り

世間には「資治通鑑」を三カ月で読んだとか、「二十一史」を半年に読んだなどと自慢する者があるが、そんな者の気が知れない。会心の文字は、何度でも読むのがいい

音楽ってやつは、それを作った人間のひたっていた心境に、じかにすぐ運んでくれるんですよ

おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大さを見のがしがちである

人生とは、とどまることなき変化である。つまり、肉の衰弱と、霊の生活の強化・拡大である

人心は譬えば、槃水の如し

誰でも自らの強みについてはよく分かっている。だが、たいていは間違っている。わかっているのはせいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い

自分が秀吉様に受けた恩は、貴老（官兵衛）よりもはるかに大きく、三成たちよりも深いものである。しかし三成とは仲が悪いのは周知のとおりで、光成に加勢するのは見苦しい結果となる。貴老のお考え通りに分別したい

宗教は未来を後ろ盾としているが、芸術では現在こそが永遠なのである