（相撲を）辞めようと何回も思った

相撲道しか興味がなかったと言えばそれまでで。ですから、カメラの前でいい顔しようとか、うまく記者さんと連絡系統密にしようとかいうのはまったくなかったですね

勝っても負けても明日がある

（ジャイアント）馬場さんとの思い出は、一冊の本になるくらいありますよ

先代が大関で終わったというのは、私のハングリー精神ではありましたね。それに、私には他の力士と違って、相撲をやめても帰る場所がなかったんです。ここが実家でしたから（笑）。だから、5年経って十両になれなかったら、親元を離れて生活しようとけじめをもってやっていました。やっぱり、師匠の息子が強くなれなかったら、師匠としてもかっこわるいですし

日本文化的な鍛え方というのは、やはり日本人に適していると思います。相撲というのはそれを長年続けながら強靭な力士を育てているので、例えば他のスポーツのようにすべてを西洋式に合理化してしまうと相撲本来の軸がずれてしまうでしょう。体力や技術といった表層的な部分だけでなく、（相撲を通して）いざと言うときにきちんと集中できる精神力が備えられるよう弟子たちを指導していきたいですね

大相撲という世界があったから、私はこの世に生を受けた意味があった

相撲は、一瞬で勝負が決まるでしょ。土俵上の緊迫感は尋常なものではありません。取組中も、自分の得意な形になって「これは勝てる」と思ったらそれが油断となり、隙をつかれて負ける。逆に、「一瞬でも相手の得意な形になったら負けるぞ」と思って最後まで気が張り詰めていれば、勝てる。また「気」ですね。だから「気」を鍛えることが大切なんですよ

同じスピード、同じ高さで当たると、絶対大きい方が飛ばせる、絶対そうじゃないですか

相撲はほかのスポーツとは位置づけが異なりますからね。相撲は競技であると同時に日本の文化でもあります。つまり我々は文化の守り人だと思うのです

横綱相手に、とにかく思いっきり行くしかない

（プロレス界に挑戦して）僕はもう２年ぐらいしか自分の身体はもたないと思っていましたよ