名言大学

(両さんを描くときのこだわりは)何か考えていたり、
たくらんでいたりするときの両さんらしい表情です

(「檸檬の遠足の巻」の話を思いついたきっかけは)「生きる」という大切なことをテーマにしたお話で、
読者に感動して欲しいと思ったことです

(少女漫画のどんなところが好きですか?
)愛情や友情などの心の動きがメインになっているところです。
キャラクターの気持ちがすごく伝わってきて、
読んでいると心にしみます。
ちょっと弱っているときとかに読むと、
癒されます

この年になっても面白いものができて(あ〜早く読者に見せたいな)っていうのがあるんで、
それが一番魅力なのかな?

ありがたいこと、
好きなことが仕事になって締め切りを守ったら褒められるんですよ。
昔は漫画かいてて怒られたんですから・・。
こんな良いことはないですよ

10年目、
20年目の節目に考えるんですよ・・。
その時は“自問自答して、
よし!新キャラ出してみようとか、
別な展開を考えてみようとか

(無人島で暮らすことになったら、
もって行く物は?
)アシスタントと担当者を連れて、
無人島で漫画を書きます

(地球最後の日、
何をして過ごす?
)書いた漫画をじっくり読む・・はい(1巻から)

(1年間、
お休みが取れるとしたらどこで、
何をしたいですか?
)やっぱり「家で漫画を描いてる」と思います

スポーツ、
全くダメなんですよ、
昔から。
「何かやらなきゃな」と思っていたのがゴルフでグリーンで入れるのが面白いです。
ビー玉みたいで

僕も長い仕事をしてますので“ルーティンワークになりがちなんですけども、
そうじゃなくて、
やっぱり描いていると新しい自分を発見したい

新しい自分が見たいのだ。
仕事をする

4ページまでが勝負。
4.5でつまんないと、
読者があきちゃうんですよね。
逆に7ページまで読んでくれれば、
もう一気に行く感じになる

すぐに終わるんだろうな・・・なんて思いながら『こち亀』を始めたんですよ

(ストーリーは)「夏」とか、
漠然なことでもいいので、
テーマを決めてから考えています

(両さんと似ているところは)1つのことにこだわるところです。
趣味がたくさんあったり、
「楽しく生きよう」と思っているところも似てますね

(両さんの表情が)だいぶマイルドになりましたね。
最初の頃は劇画という絵にこだわって、
怖い感じ、
性格も荒いし・・・描いていくうちにだんだんキャラっていうのは、
ある意味で成長なんだと思うんですけど

とんでもない形ではなくて、
やはり自然な形で両さんに動いてもらって、
これが良かったのかなという感じにしたい

最終巻は今から書くんですけど、
読者が納得する形の終わり方にしたい

(いつから連載終了を考えていた?
)だいたい1年ぐらい前から。
やっぱり200巻がもう限度かな思いまして。
寂しいところではあるけれど、
やはり作品ですから、
いつか終わりが来る

まんがと云うのはさ、
単純に読んで「ああ面白かった」でポイと捨ててくれた方がさ・・・。
あの人の作品はこうだとか、
ホント、
小説みたいな感じで・・・。
もっとラフな感じで読んでもらった方がいい感じなのに・・・

アクションものなら今だに望月三起也さんが一番ですね

本格的なバイクものを、
今バイクマンガ多いけど、
レースものなんかやってみたいなァ。
あと白バイにも興味がある。
カッコイイでしょ。
ハードでシリアスな白バイものも描きたい

(ファンレターは)編集部の方からまとめてもらいます。
結構上の年齢からも来ますね

最初は地味な下町のおまわりさんって感じで、
ただ本人のキャラクターでどこまで動くかって感じでやってたけど、
今は全然変わってるから。
それと、
ファン層が広いみたいなんですよ、
アンケートなんかでみると。......

“ああ、
こういう描き方してたんだ〜って。
1作1作“地層みたいになっているのを紐解くと、
その当時の自分の考え方がわかる。
両さんが自分史になってるんですね。
それで、......

いつもは10人の人にうけるように、
ってやってるけど、
月に一度ぐらいは1人がいればってことで。
でもそれを続けちゃうとヤバイんですよ

長期の連載で驚くのは、
自分の描き方や物の見方がどんどん変わること。
普通は作品自体が変わって、
そこに作者の視点が反映されると思うんですが、
僕の場合は同じものを描き続けているので、
如実に視点の違いが出てくるんですよね

ギリギリでネームなんかやってるとギャグがあまり出てこなかったりするからね。
好きで入った道だからキチンキチンと仕事を上げていきたいしね

お昼まで寝たり締め切り守らなかったり・・マンガ家になりたくてもなれない人がいっぱいいるのに、
せっかくなっておいてなぜそんな風になるのか

締切だけは割と守る主義なので。
予定を立て、
きちんと。
風邪をひいたりして2・3日寝込んでもいいように、
早め早めにやってます

マンガと実写は違います。
“ここはこうしてくれないと困る!なんて縛りを入れてしまうと、
不自然になってしまう

漫画には、
色んな体験が詰まってい、
学べることがたくさんあります。
漫画を読んで、
元気の元にしてください

(両さんは自分にとって)友達のようなもの。
色々と、
こっちが大変な時に相談にのってくれる。
本当に書いていて、
楽しかったキャラ

(最近のマイブームは)エヴァの食玩3Dカード集めです。
コンビニで探して買っています

僕はギャンブル・たばこ・お酒はやらないんですよ。
相当激しくギャンブルとかやってそうとか言われるけど、
競馬新聞とか資料で買って全部調べて、
だから逆に書いていて楽しいんですよ

よく、
漫画家がキャラが動くって言うんだけど、
最初は何言ってるんだと思っていたんだけど、
実際描いてみると、
勝手にセリフが書ける。
本当にありがたいキャラクターに出会えた

以前、
嘘の最終回を描いたことがあったんですが、
そのときは本当に読者に泣かれて。
200冊描けば(1日1冊で)200日楽しめますし、
読者も納得してくれるかなと思って、
今日のおめでたい日に作者の声で『こういう理由で』と話そうということになりました

最近では作品が完結しそうになるとネットでバーっと流れちゃいますよね。
幸い『こち亀』は1話読み切りで、
いつ終わるかはわからないので、
よかったなというところはあります

連載終了を意識し始めたころには『終わるかな』『どうするかな』と思いながら描いていて

200冊も単行本を出させてくれた集英社と週刊少年ジャンプ編集部には、
作家としていくら頭を下げても足りないくらいで、
勲章のようなものです。
両さんはお祭りごととかお祝いが大好きなので、
40周年でみんなに祝っていただいているときにスッと消える感じが、
作者というより両さんの引き際としていいと思って決めました

少年誌で作品が40年続くっていうのはありえないんですね。
青年誌だと(読者が)大人の方なので、
読み続けてくれる方がいらっしゃるんですけど、
少年誌は読んでくれる方がどんどん変わるので

最初のころは、
僕が自分の興味のままに描いていたんですけどね。
ある時を境に反転したんです。
ちょうどパソコンが出始めたころかな、
“両さんだったらどうするかな。
絶対興味持つだろうなって。......

両さんは、
ある意味全部“自分のことなので、
描きやすくて。
僕はずっとそれが普通だと思って描いていた。
でも違うんですね。
僕の“普通をみんなは面白がった。......

僕には、
セルフカバーをするアーティストの気持ちがよくわかる。
みんな昔と違うって文句言うけど、
今だからこそ、
こう歌うっていう形があるのは当然のことですよ

秋本 治(あきもと おさむ、1952年〈昭和27年〉12月11日。