見栄張れるのも、生きる力があるって証拠。

難しいからやろうとしないのではない。やろうとしないから、難しくなるのだ

雨だれも、ついには石をうがつ。

書生だの浪人だのという連中は、昔から絶えず俺のところへやってくるが、ときにはうるさいと思うこともあるけれど、しかし、よく考えてみると、彼らが無用意に話す言葉の内には、社会の景況や時勢の変遷が自然にわかって、なかなか味わうべきことがあるよ。匹夫匹婦の言も、虚心平気でこれを聞けば、みな天籟（てんらい＝絶妙の詩文）だ

世間を知り、世間に寛大であれ。世間を楽しむためには、世間をかすめて生きるべきだ

分相応に大人しすぎると、誰からもこき使われる。木綿は敷物にするけれど、誰が枝を敷物にしようか。

志をもっている人間は、何かを目にしたら、必ず心中に感じるものがある

いまの世の中は、実にこの誠というものが欠けている。政治とか経済と言って騒いでいる連中も、真に国家を憂うるの誠から出たものは少ない。多くは私の利益や、名誉を求めるためだ。世間の者は「勝の老いぼれめが」と言って嘲るかしらないが、実際俺は国家の前途を憂うるよ

賢者はいかに窮しても、愚者の道は歩まない。ツバメはいかに喉が渇こうとも、地面に落ちた水は飲まない。

医術は患者を慰めることにあり、自然は病気を治す

「言語ゲーム」という語は、ここでは、言語を話すことが人間の活動の一部である、あるいは、生活形式の一部であるということを強調するべきものである

風景を生きること、自分がそのなかに在る風景を生きることが、すなわち人生というものなのだといってもいいのかもしれません。