子供の教育係をさせる侍は、その人柄をよく選ばねばならない。

梅の花 壱輪咲いても 梅は梅

脅えるということは何ごとにもあるものである。思いもよらないものに脅えるものである。合戦の場合も、敵を脅やかすことは当然のことである。あるいは鳴り物の音でも脅やかし、あるいは小勢を大軍にみせて脅やかし、また脇から不意を突いて脅やかすこと、これで敵は脅えるものである。その脅える拍子をとらえ、その有利さによって勝つのである

人の意見を聞いてから出る知恵は、本当の知恵ではない

朝夕の食事はうまからずとも褒めて食ふべし。元来客の身に成れば好き嫌ひは申されまじ

障子を開けてみよ。外は広いぞ

謙遜の者は遂に幸来る。不遜の者は災害来る

勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、害その身に至る

自ら活動して他を動かすは水なり

敵と自分が戦ううちに、同じことを度々するのは悪いということである。同じことを二度するのはやむを得ないとしても、三度とするものではない

古より、書生はなはだ多事　他の家国のために憂患を抱く

少し眼見え候者は、我が長（た）けを知り、非を知りたると思ふゆゑ、猶（なほ）々自慢になるものなり。実に我が長け、我が非を知る事成り難きものの由。海音（かいおん）和尚御咄（おんはなし）なり