名言大学

下情には通ぜざるべからず。
下事には即ち必ずしも通ぜず。

総(すべ)て事業をなすには、
ぜひとも天意に従う敬虔(けいけん)な心を堅持することが肝要である。
功を人に誇示し、
自分の存・・

今時の老人達は、
むやみに年をとったといって、
自分を役に立たぬすたれ者としてそれに満足している者がおるかと思うと、
いまだ・・

人は厚情と誠実。

清きものは心を洗う。
色の清らかなものは観るのによいし、
声の清らかなものは聴くのによいし、
水の清らかなものは口をゆすぐの・・

経験浅い者には諭(さと)せ。
人のなかには時々さほど重要でない事を持って来て話す人がある。
そうした時には、
自分はいつも威・・

人は必ずしも無理に幸福を求めることはしなくてもよい。
禍(わざわい)を受けることが無ければ、
それが幸福なのである。

人我に背(そむ)くとも、
我人に背かず。

昨日を送りて今日を迎え、
今日を送りて明日を迎ふ。
人生百年、
かくの如(すぎ)きに過ぎず。

老人は、
多くの人々を包み入れる度量をもち、
才能のある者を育成することをその志とすることが最もよい。

応酬の工夫は、
当(まさ)に閑居(かんきょ)独処(どくしょ)の時の如(ごと)きと一般なるべし。

人を用うるにはよろしく長を取りて短を捨つべく、
みずから処するにはまさに長を忘れ短を勉むべし。

必ずしも栄誉を請い求めることはしなくてもよい。
恥辱を受けることが無ければ、
それが栄誉なのである。

愚か者の鈍さは利口者の砥石です。

言葉というものは、
必ずしもその多いとか少ないとかということを問題にする必要はない。
ただ、
その言葉が時と場所において適切・・

人の賢者は初見の時に於(お)いてこれを相す。
多く誤らず。

過ぎ去ったことを思い出すことのない人は、
現在の仕事においてもいい加減である。

少にして学べば、
則ち壮にして為すことあり。
壮にして学べば、
則ち老いて衰えず。
老いて学べば、
則ち死して朽ちず。......

名は求むべからずといえども、
また棄つべからず。

人の言は須らく容れて之を択むべし。
拒むべからず。
又惑ふべからず。

凡(およ)そ剛強の者は与(くみ)し易く、
柔軟の者は怕(おそ)る可(べ)し。
質素の者は永存し、
華飾の者は剥落(はくらく)・・

愚かな知恵者になるよりも、
利口な馬鹿者になれ。

必ずしも無理に富を求めることはしなくてもよい。
飢えなければ、
それが富むことである。

老人の自らの養ふに四件有。
曰く和易、
曰く自然、
曰く遺遥、
曰く流動、
是れなり。......

老人は多くの人が仰(あお)ぎ見て、
敬いしたがう所のものであるからして、
その言語や動作は益々端正にしなければならないし、
・・

春風(しゅんぷう)をもって人に接し、
秋霜(しゅうそう)をもって自ら粛(つつし)む。
(=春風接人、
秋霜自粛)

必ずしも長寿を祈ることはしなくてもよい。
若死にしなければ、
それが長生きなのである。

われまさに人の長所を見るべし。
人の短所を見るなかれ。

順境は春の如し。
出遊して花を観る。
逆境は冬の如し。
堅く臥(ふ)して雪を看(み)る。
春は固(も)と楽しむ可(べ)し。
冬も・・

富人を羨むこと勿(なか)れ。
かれ今の富は、
安(いず)くんぞ其の後の貧を招かざるを知らんや。

たとえ他の人が自分を裏切る行ないをしても、
自分はその人を見捨ててはならない。
そして、
他の人からそむかれた原因を十分に反・・

人我に負くとも我人に負く勿(なか)れ。

生はこれ死の始め、
死はこれ生の終わり。
生ぜざれば則ち死せず、
死せざれば則ち生ぜず。

一燈(いっとう)を提(さ)げて暗夜を行く。
暗夜を憂うることなかれ。
ただ一燈を頼め。

親類の者に親しみを持たない人は、
他人に対しても薄情である。

佐藤 一斎(さとう いっさい、安永元年10月20日(1772年11月14日)- 安政6年9月24日(1859年10月19日))は、美濃国岩村藩出身の儒学者。諱は坦(たいら)。通称は捨蔵。字を大道。号は一斎のほか、愛日楼、老吾軒。