名言大学

己の行く道は間違ってはいない。
むろん苦険道であるから時々へたばる時がある。
けれども己は歩兵のように歩む。

ひとごとは冷めたくとも済む。
自分に対する考は炎を潜(くぐ)った鉄のようにあらねばならぬ。

死に近き母に添寝(そいね)のしんしんと 遠田(とおだ)のかはず天に聞(きこ)ゆる

あたらしき年のはじめは楽しかり わがたましひを養ひゆかむ

をさなごは畳のうへに立ちて居り このをさなごは立ちそめにけり

意地には、
緊張が伴う。

あかあかと一本の道とほりたり たまきはる我が命なりけり

いささかの為事(しごと)を終へてこころよし 夕餉(ゆうげ)の蕎麦(そば)をあつらへにけり

実相に観入して自然・自己一元の生を写す。
これが歌の上の写生で、
写生は決して単なる記述などではない。

斎藤 茂吉(さいとう もきち、1882年(明治15年)5月14日 - 1953年(昭和28年)2月25日)は、日本の歌人・精神科医。伊藤左千夫門下。大正から昭和前期にかけて活躍したアララギの中心人物。