名言大学

演じる上で一番大事にしているのは、
衝動です

子供の頃は、
友だちが全然いなくてね、
おとなしーい子でねェ。
今でいう自閉症ですね。
人としゃべれなかったですね。
ええ、......

人前に出るのが嫌で嫌で、
その反動が一気に出て、
目が開いたんだと思うけども・・・・

工業高校のとき、
文化祭でたまたま芝居やってね、
それがめちゃくちゃ面白くて、
パーッと目が開いた感じだったのね

(その役に)『なりきった』瞬間が、
俳優を続けさせる魔力みたいなものでしょう

『名脇役』って、
1つのレッテルですよね。
いろんな表現の仕方があるじゃないですか。
そういう一切のレッテルからかけ離れた存在になりたいんです

役者にとって、
悪は魅力的ですよ。
普段の自分にはできない非日常なことをしているわけですから

どうやって監督を裏切るか考えているんです

『役作り』という言葉は、
どうもピンと来ないんです。
役は『作る』ものではなく『なる』ものだと思います

台本をもらってまず考えるのは、
外側のことですね。
どんな衣装を着るのか、
髪型はどうか、
髭はあったほうがいいのか

二十代ではね、
芝居ばかりやってきたでしょ。
生活だのなんだの関係なく。
三十代ではね、
なんてったらいいのかナ・・・・ま、
四十代で花開きたいと思うわけですよ。......

TVで主役に斬られたりすると、
(子供たちが)泣くのね。
お父さん死んじゃったァーって(笑)ボロボロ泣くんだよ。
あれはウソで死んでるんだよっていえば、
わかるようになりましたけど

(奥さんには)あんまり、
苦労かけたとも思わないスね。
だって、
向こうにしてみれば、
そうすることがある生きがいになってたわけだから・・・・いいんじゃないのかナ

よくある話だけど、
女房に食わせてもらってた。
いわゆるヒモ時代が長いですから(笑)・・・・昼間は喫茶店、
夜はバーに行ったりね、
働き者で(笑)そのおかげで芝居を続けられたわけで

仕事ないときは・・・・まァ、
寝っころがって鼻クソほじくってる(笑)とか、
あと、
トレーニングはやってます

(インタビューを)ほんとは酒呑みながらやるといいんだけど。
うまく伝わんないんですよね。
それで、
誤解されたりすることも多いけれども・・・・

酒呑んでも、
ほとんど変わんないです。
ちょっと、
おしゃべりになるかナ。
自分の心の中をね、
言葉にする作業がわりとなめらかになるの。......

現場に入ると、
気持ちが粂八になるんです

私の芝居に関しては、
セリフから感じ取れるものを、
その場でやるというやり方で、
計算はあんまりしてないんです

(島田正吾について)僕なんか、
テンポ良くしゃべることばかり頭にあったんで、
こんなに間をとって芝居やる人、
見たことなかったんです

粂八は、
曲芸団にいたことがあって、
綱渡りするような身軽な男。
それを尾行している場面で出せるかというと難しい(笑)。
もうちょっと若い頃は、
身のこなしも軽かったと思いますが、......

まずは相手のセリフをよく聞くということですよ。
そこは、
基本中の基本です。
自分の反応なり、
衝動なりは、
相手の言葉を聞かないことには出てきませんから

息子が一人前になったら、
いつかは共演したい

僕のモットーは『ひたむき』だけです

あまり考えない状態でその現場にスポッと入るようにしています。
現場で相手との呼吸を作っていくわけですから

ごめんな、
パパが悪役で。
でもこれが俺の仕事だ。
お前たちは俺が守る

主役だろうが脇役だろうが『自分の役を全うするのが役者』

俺には演技の道しかない

自分が出るシーンは自分が主役

どんな役でもやれるけど、
でも、
何をやっても「蟹江らしいね」と言われる俳優。
そんな存在を目指して、
この40年間やってきたつもりです

気がつくと、
役者はみんな年を取って。
顔を合わせると、
体のどこが具合悪いとか、
そんな話ばっかり(笑)

『鬼平犯科帳』は、
宝物ですね。
私の役者の経歴に『鬼平犯科帳』がなかったら、
ずいぶん寂しいだろうなと思います

蟹江 敬三(かにえ けいぞう、1944年10月28日。