「上手な演技、と言われたくないんです。技術が見破られたようで。うれしいのは「地(じ)でしょ」と言われたり、「そういう人、親せきにいてるわ」と言われた時です」
藤山直美
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「上手な演技、と言われたくないんです。技術が見破られたようで。うれしいのは「地(じ)でしょ」と言われたり、「そういう人、親せきにいてるわ」と言われた時です」
藤山直美
「舞台に立つのは、半紙のような薄い紙を一枚一枚重ねる作業と似てます。例えば、電話帳。紙1枚はすごく薄い。でも電話帳の厚さになると、絶対にやぶられへん。おけいこや舞台を重ね、楽日には絶対に破れない電話帳に仕上げる」
藤山直美
「自信はない。でも周囲の非難も怖くない。男やったら「春団治」を目指すわ、絶対」
藤山直美
「(父に)「似てる」と言われるのが重かった時期もあります。ずっと「よくぞ女に産んでくれた」と感謝してきました。もし男やったら私、ようやらんわ。「父親は40歳でこの芝居を演じ切ったのに」とか言われたやろしね」
藤山直美
「(父とは)顔も似てますけどね、一番似てるのは思考回路。私はああいう天才肌とは違うけど。舞台の上での感覚というか、感じるものが似てるんやろね。親子やもん。「それは何ですか?」と聞かれても言葉で答えようがない」
藤山直美
「(父とは)芝居を一緒に見に行ったことはなかった。役者として接したこともなかったです。共演もほんの数回しかしてないんです」
藤山直美
「記憶の中の父藤山寛美は「普通のお父さん」。楽屋で寝起きし、1カ月に2日しか自宅にはいなかったけど、それが普通と思っていたので寂しくもなかったです」
藤山直美
「一人はもちろん怖いです。孤独やし不安です。でも、だからこんなに毎日必死でお稽古してこられた。一人だったから役者を続けてこられたのかもしれへんね」
藤山直美
「父の死後、本格的に舞台に立つ日々が始まって、「寛美の娘を松竹新喜劇に」という声はファンの方々の間でも高まっていました。でも私、どうしても一つの劇団に縛られるのではなく、いろいろな舞台をやってみたかった。悩んで悩んで、結局選んだのが「一人」やったんです」
藤山直美
「40歳を過ぎて、「今さら結婚してもなあ」「子供はもうええかな」と段々あきらめることが増えていき、心に踏ん切りをつける中で、ようやく覚悟したんでしょうねえ。「私は舞台で生きていくしかない」って」
藤山直美
「人生って「この部分は好きやないから消しゴムで消しましょ」なんてできませんものね。父の突然の死も、好きな人とご縁がなかったことも、体や心に染みついて、一生忘れられへんねえ。でも忘れる必要もないし、忘れたらあかん、と思う」
藤山直美
「私は長屋とかそういう系統の作品だけでいいんです。お武家さまとか大家の奥様というような役は、そのニンに合う役者さんがいらっしゃいますから。庶民とかそういうのがいいのと違いますか」
藤山直美