「負けたるも我にてありき あらそひの因(もと)も我なりしと 今は思へり」
石川啄木
「負けたるも我にてありき あらそひの因(もと)も我なりしと 今は思へり」
石川啄木
「この次の休日(やすみ)に一日寝てみむと 思ひすごしぬ 三年(みとせ)このかた」
石川啄木
「旅七日(なのか) かへり来(き)ぬれば わが窓の赤きインクの染(し)みもなつかし」
石川啄木
「あらそひて いたく憎みて別れたる 友をなつかしく思ふ日も来(き)ぬ」
石川啄木
「こころよく 人を讃(ほ)めてみたくなりにけり 利己の心に倦(う)めるさびしさ」
石川啄木
「ふるさとの訛(なまり)なつかし 停車場(ていしやば)の人ごみの中に そを聴きにゆく」
石川啄木
「いと暗き 穴に心を吸はれゆくごとく思ひて つかれて眠る」
石川啄木
「人並の才に過ぎざる わが友の 深き不平もあはれなるかな」
石川啄木
「汽車の旅 とある野中(のなか)の停車場の 夏草の香(か)のなつかしかりき」
石川啄木
「よりそひて 深夜の雪の中に立つ 女の右手(めて)のあたたかさかな」
石川啄木
「治(をさ)まれる世の事(こと)無さに 飽きたりといひし頃こそ かなしかりけれ」
石川啄木
「とかくして家を出(い)づれば 日光のあたたかさあり 息ふかく吸ふ」
石川啄木