マシュマロ実験というものがあって、子供の前にお菓子を用意して「15分間留守にするけど、帰ってくるまでにお菓子が残っていたら、もう一皿あげるからね」と言って、その部屋を出ていきます。すると、7割の子供は15分間我慢できずに食べてしまうんです。15分待てばマシュマロを倍食べられて得をするという論理的思考は人間の進化の過程で後からできた回路なので、なかなか優位に働きません。同じように大人にも拙速な判断をする個体のほうがまだまだ多くいて、その割合はやはり7対3くらいだといわれています。もし、間違った行動を起こしたくない場合は、拙速な判断は避けるべきです。そして、じっくりと考える癖をつけるといいかもしれません

中野信子

共有

中野信子の他の名言

脳は酸素要求量が多く、栄養もたくさん使います。体としては、なるべく脳の働きを抑えて酸素や栄養などのリソースを節約したい。そこで年齢を重ねるにつれて節約モードになります。節約モードに入ると、たとえば何かを経験しても、「これは重要なことではない」と注意を向けなくなり、記憶しようとしなくなります

中野信子

男性の脳と女性の脳は構造的に違います。たとえば言語のコミュニケーションに関係する上側頭回は、女性のほうが大きいという傾向があります。上側頭回が発達していると、人とコミュニケーションを取ることで満足を得られます。つまり女性は、意味のないことでもおしゃべりしていることが癒やしになるのです。一方、男性は感情を引きずりやすく、むしろ孤独になることで癒やしを得ます

中野信子

「生物的な快楽」とは、おいしいものを食べたり、セックスをしたときに得られる直接的な快楽です。「報酬的な快楽」とは、農作物を育てたり受験勉強をするなど、ある目的を達成するため努力しているときに得られる快楽です。ランナーズハイなどもこれに当たります。そして、報酬的な快楽のほうが、直接的な快楽より強いんです。よく、「ゲームにハマっていてご飯を食べるのを忘れていた」ということがありますが、それは食欲によって得られる快楽をゲームが代替しているからなんですね。そして、こうした報酬的な快楽のなかでも特に強いのが“自分語りの快楽です。SNSなどで自分の行動や考えを書くと世界中の人から「いいね!」などと肯定されます。こうした社会的報酬はセックスの快楽よりもすごく大きい。今は少子化が問題になっているので、本来ならばもっと性欲を発揮してもらわなければ困るのですが、現代はこうした強い快楽があるので、皆さんセックスをしなくなっているのではないでしょうか

中野信子