「いま流行の「リストラすれば企業の競争力が上がる」という主張には、二つの重要なポイントが欠落していると言えます。その一つは「人間尊重」。すなわち、あらゆる経済活動の中心にあるのは人間だという素朴な信念です。市場経済が合理的で優れたものであることは言うまでもありませんが、株式市場に翻弄されて、人々が生活の基盤を失ったり、家族が離散せねばならなかったり、自殺者が極端に増加するようでは何もならない。人間尊重は近年流行している市場原理主義よりもはるかに普遍的な考え方のはずです」
奥田碩
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「いま流行の「リストラすれば企業の競争力が上がる」という主張には、二つの重要なポイントが欠落していると言えます。その一つは「人間尊重」。すなわち、あらゆる経済活動の中心にあるのは人間だという素朴な信念です。市場経済が合理的で優れたものであることは言うまでもありませんが、株式市場に翻弄されて、人々が生活の基盤を失ったり、家族が離散せねばならなかったり、自殺者が極端に増加するようでは何もならない。人間尊重は近年流行している市場原理主義よりもはるかに普遍的な考え方のはずです」
奥田碩
「市場がマネーゲームの場である以上、短期的な利益を追求することは、致し方の内面もあります。しかし、株主のとっても長期的な投資という観点からすれば、一時的な配当を求めて人材を削減することにメリットがあるとは思えません。この二つをよりどころとする企業経営、それを私は「人間の顔をした市場経済」と名付けました」
奥田碩
「日本の経営者は通勤に使う自動車も会社もちなら、昼飯も会社が払う。ゴルフの会員権まで会社が負担している。日本では経営者まで会社に依存しているわけです。そのもう一つのいい例が、日本では会社を退いた後でも、いろいろな秘書をつけてもらって会社の金で出勤してくる。これでは何のために退職金をもらったのかわかりません。会社にしがみつくなら、退職金はもらうなと言いたい。アメリカの経営者は会社を辞めて退職金をもらったら、もう会社へは来ない」
奥田碩
「トヨタの連結ROE(株主資本利益率)は7%で、ビッグ3と比較すると低いと言われますが、そんなに高く持つ必要はないのではないかと考えています。もちろん、高く持つに越したことはないのですが、会社の発展の度合いによって数字は違ってくるものではないかと思います」
奥田碩
「努力した人が報われる社会にしなければ、閉塞感は増すばかりです。「平等」に価値が置かれた結果、社会から変わろうとする意欲が失われてしまったんです。それによって、日本はすでに周回遅れのランナーになってしまった。1980年代、アルビン・トフラー氏は「第三の波」で、本格的な情報化社会の到来や、ボーダーレス社会の到来を予言しました。日本の場合、戦後の成功とは言っても短期間な成功にすぎなかった。だから第三の波がやってくるや、知らず知らずのうちに周回遅れになっていた」
奥田碩
「人間は生まれながらにして異なる個性と才能、環境を持つわけですから、すべて平等ということはあり得ない。平等は確かに尊重すべき価値観ですが、努力の過程を無視して結果だけを一律にそろえることがいいとは思えません」
奥田碩
「バブルの影響で消費が落ち込みましたが、それは経営者の責任で社員には責任はない。それなのにその反省はまるでされていません。逆に言えば経営者に責任を取るつもりがないからバブルになってしまったのです。経営者がもっと侍的な精神を持っていたら、自ら腹を切っているはずです。土光敏夫さんや石坂泰三さんの世代にはまだそうした責任感があったように思います」
奥田碩
「現在日本は第二の敗戦を迎えたといわれていますが、それならば経営者が本当にその責任をとったらいいのではないか。戦後、公職追放と言う形で多くの経営者がパージ(追放)を受けました。それによって経営陣が若返り、30代、40代の経営者が生まれて戦後の経済を支えていったのです。第二の公職追放をとまでは言いませんが、自ら取るべき責任をうやむやにしたまま、新しい経営体制を築くことには無理がある」
奥田碩
「最近はROE(株主資本利益率)重視に走る企業が多いと感じています。ROEでしばられて、ROEが悪くなるから投資はやめようという考えではなく、成長とバランスを考えることが必要だと思う。うちのやり方は、先に網を張っておいて、よしんば下がっても、網を張った会社が元気に成長してくれて、結果的にROEが上がってくれればいい。ROEにあまり拘泥すると矛盾が生まれます」
奥田碩
「私は日ごろから、「変わらないことは悪いことだと思え」と言い続けています。同時に、変わることをためらう人がいれば、「変革に加わらなくてもいいから、変革の邪魔はしないでくれ」と言っています。変革を実行するのは、企業なら従業員一人一人だし、国家なら国民一人一人です」
奥田碩
「果敢な行動を評価する価値観が作られれば、日本は大きく変わる。そうなれば、日本人はもっとアグレッシブになれるし停滞した闘争心に火をつけることにもなります。そもそも日本は競争をできるだけ避けてきました。運動会のかけっこでも順位はつけないなど、競争心を抑え込む教育をしてきました。安っぽい平等を追求した結果、やる気を失う子供が増えています」
奥田碩
「上手くやろうとすればするほど、準備に時間がかかり、機会損失は拡大する。下手でもいいからやってみて、上手くいかないところは、その都度、直していく方がずっと効率的です」
奥田碩