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「昔は各学校に土俵がありました。いま土俵のある学校は全国にたぶん3ケタはないと思います。一対一で向き合い、はだしでおこなう相撲は足腰が強くなるし、もみ合いで体力がつきます。しこなどの基本動作はきちんとやると、自分の体重だけでこんなにきつい運動があるのかというぐらい足が震えてくる。反復運動ですから精神的にも強くなります。大変な時代のいま、とにかく子どもたちには元気で、活発でいてほしいという思いが強いですよ」

貴乃花光司

「相撲部屋の場合は、やはり生活を丸ごと引き受けますので、まずはこの相撲部屋の生活に慣らすことから入ります。でもやっぱり、若いから誰もがホームシックになるんです。それでもとにかく帰る場所は実家じゃなくてこの相撲部屋、ここしかないんだよというところにうまくはめ込んでいく。まあ、いまうちにいる子たちは志願してきた子ばかりですからね。あとは炊事とか洗濯、掃除のやり方ですね。家族と同じです。血の繋がりはないんですけれども、それ以上の関係というか、本当の子供と同じぐらいの感覚はありますね」

貴乃花光司

「横綱になるより、なってからの方が大変でした。上を目指すことで、(現状を)維持することができるんですが横綱には上はありませんから。横綱は常に12勝以上しなくてはだめ。でも幕の内の力士で横綱とあたるのは強い人。ちょっとの油断で横綱も簡単に負けてしまうんです。横綱は毎日勝たなくてはいけませんが、相手は横綱に勝てば他は全部負けてもいいくらいの勢いでくるんです。金星は給料に上乗せされますし。横綱時代は、精神的なものが培われましたね」

貴乃花光司

「先代が大関で終わったというのは、私のハングリー精神ではありましたね。それに、私には他の力士と違って、相撲をやめても帰る場所がなかったんです。ここが実家でしたから(笑)。だから、5年経って十両になれなかったら、親元を離れて生活しようとけじめをもってやっていました。やっぱり、師匠の息子が強くなれなかったら、師匠としてもかっこわるいですし」

貴乃花光司