「大都市では「ムダ」と見なされる、一見、非効率なことが、奈良では幸せの源になっているのを体感し、「生きるって、こういうことなのか」と教えられた気がします」
紫舟
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「大都市では「ムダ」と見なされる、一見、非効率なことが、奈良では幸せの源になっているのを体感し、「生きるって、こういうことなのか」と教えられた気がします」
紫舟
「「仕事=生きること」と思い込んでいましたが、奈良での生活を通して、「生きること=生きること」でしかないということを知りました」
紫舟
「書家としての成長を求め、書の本場である奈良にアトリエを移しました。奈良にはたくさんの書家がいて、また神社仏閣が多く書の需要が高いため、墨や筆・紙漉きなどの職人さんも集中しています。この奈良で過ごした3年間は、私を大きく成長させてくれました」
紫舟
「3ヶ月間、それまでの人生を通して背負い過ぎたものを下ろし、「自分はどう生きたいのか」「何が好きなのか」と、自分の本心に向き合い続けました。そんな自問自答の末、最後に残ったのが「書家」という道だったのです。書家になると決断した瞬間、心がスッと軽くなったのを今でも鮮明に覚えています」
紫舟
「人生を見つめ直すために退社しました。その会社に勤め続ければ、いつ頃に結婚し、何歳には年収がこれくらいになって――と、その後の人生が容易に計算できました。たしかに安定はしていますが、私にとっては先が見え過ぎることが、逆に不安でした。自分の思い描いた人生はもっと違うような気がしていました」
紫舟
「高校卒業後は、大阪の大学に進学して英語を専攻しました。書道?この頃はまったく忘れていました。筆を執るのは、年賀状を書く時くらいだったかと」
紫舟
「他の習い事が長続きしなかったのに、書道を最後まで続けたのは、子ども心にも自分の自信の小さな礎になっていたことに気付いていたからでしょう」
紫舟
「挑戦のために流した涙は、勇気に変わっていました。心の痛みは、それと向き合ったときに、自らを強くしてくれました。その過去に感謝し、そして次に夢を叶えるときには、楽しみながら、夢への挑戦をしていきたい」
紫舟
「立体彫刻の制作は、書が完成した後、設計図を書き起こすことから始まります。完成した姿を想像しながら書をパーツに分け、試行錯誤を繰り返しながら作っていきます。その後、溶接作業を経て、書は紙から解放され、影を纏う新しい姿となって完成するのです」
紫舟
「やわらかな光をうけ、立体の彫刻から映し出された影は、文字の意思を表す」
紫舟
「「なぜ、今、この文字を書くのか」ということを、自分自身に問いかけ、文字や言葉、そのものに宿るものを見つめ直す」
紫舟
「ぬるま湯から出る決意をした瞬間、人間の成長は始まる。自分よりちょっと上にある不快ゾーンに手を伸ばそう。そこを快適にしていくことを繰り返せば、行きたいところへ、なりたい自分へ、きっと辿り着くことができる」
紫舟