「父と母から「引き際に人間性が出る」とよく言われました。何かを諦める時、別れを言う時、引き際に人間性が問われる」
藤山直美
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「父と母から「引き際に人間性が出る」とよく言われました。何かを諦める時、別れを言う時、引き際に人間性が問われる」
藤山直美
「今になって父の気持ちがわかるようになりました。家の階段を下りながら、あるいはトイレの中で、テレビの前で、いつも何か別の物を見ているような目をしていた。きっと舞台のことをずっと考えてたんやろうねえ。私も同じなんです。普段から舞台のことばかり考えてる。そんな瞬間、はっとする。「お父さんもこうやったんか」と」
藤山直美
「演じるのが怖いこともあるんです」
藤山直美
「上手な演技、と言われたくないんです。技術が見破られたようで。うれしいのは「地(じ)でしょ」と言われたり、「そういう人、親せきにいてるわ」と言われた時です」
藤山直美
「舞台に立つのは、半紙のような薄い紙を一枚一枚重ねる作業と似てます。例えば、電話帳。紙1枚はすごく薄い。でも電話帳の厚さになると、絶対にやぶられへん。おけいこや舞台を重ね、楽日には絶対に破れない電話帳に仕上げる」
藤山直美
「自信はない。でも周囲の非難も怖くない。男やったら「春団治」を目指すわ、絶対」
藤山直美
「(父に)「似てる」と言われるのが重かった時期もあります。ずっと「よくぞ女に産んでくれた」と感謝してきました。もし男やったら私、ようやらんわ。「父親は40歳でこの芝居を演じ切ったのに」とか言われたやろしね」
藤山直美
「(父とは)顔も似てますけどね、一番似てるのは思考回路。私はああいう天才肌とは違うけど。舞台の上での感覚というか、感じるものが似てるんやろね。親子やもん。「それは何ですか?」と聞かれても言葉で答えようがない」
藤山直美
「(父とは)芝居を一緒に見に行ったことはなかった。役者として接したこともなかったです。共演もほんの数回しかしてないんです」
藤山直美
「記憶の中の父藤山寛美は「普通のお父さん」。楽屋で寝起きし、1カ月に2日しか自宅にはいなかったけど、それが普通と思っていたので寂しくもなかったです」
藤山直美
「一人はもちろん怖いです。孤独やし不安です。でも、だからこんなに毎日必死でお稽古してこられた。一人だったから役者を続けてこられたのかもしれへんね」
藤山直美
「父の死後、本格的に舞台に立つ日々が始まって、「寛美の娘を松竹新喜劇に」という声はファンの方々の間でも高まっていました。でも私、どうしても一つの劇団に縛られるのではなく、いろいろな舞台をやってみたかった。悩んで悩んで、結局選んだのが「一人」やったんです」
藤山直美