「よしや小説の目的たる人情世態は写しいだして其真髄に入るよしありとも、脚色繁雑しければ読むに煩わしく、布置法宜しきを得ざるときには奇しき話譚もあぢはひ薄かり。読者もかかる物語は中道にして読むに倦みて、いまだ佳境に入らざる前に全く巻を擲抛ほうりだすべし。故に小説を綴做すは、猶ほ一大文章をものするがごとし。結構布置の法なかるべからず、起伏開合の則なかるべからず、趣向に波瀾あり頓挫あり、記事に精疎あり繁簡あり、且つまた模写する情態にも斟酌しんしゃくの法存すればこそ、よく読む人を感動して音楽、詩歌にも恥ざるべき美術の誉れを得ることなれ」

坪内逍遥の他の名言

「此人情の奥を穿ちて、所謂賢人君子はさらなり。老若男女、善悪正邪の心の内幕をば洩す所なく描きいだして周密精到、人情を灼然として見えしむるを、我が小説家の務めとはするなり。よしや人情を写せばとて、其皮相のみを写したるものは、未だこれを真の小説といふべからず。其骨随を穿つに及びて、はじめて小説たるを見るなり」
「俗言のまゝに文をなすときは あるひは音調侏離(しゅり)に失し 或ひは其(その)氣韻の野(や)なるに失して いと雅びたる趣向さへ爲にいとひなびたるものとなりて 俚猥(りわい)の譏(そし)りを得ること多かり」
「人間という動物には、外に現る外部の行為と内に蔵れたる思想と、二条の現象あるべき筈たり」
「凡そ形(フォーム)あれば茲に意(アイデア)あり」
「斯(し)かれば外面に打いだして、行ふ所はあくまで純正純良なりといえども、その行ひを成すに先きだち幾多劣情の心の中に勃発(ぼっぱつ)することなからずやは。その劣情と道理の力と心のうちにて相闘(あいたたか)ひ、道理劣情に勝つに及びて、はじめて善行をなすを得るなり」
「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」
「よしや人情を写せばとて、その皮相(ひそう)のみを写したるものは、いまだ之(こ)れを真の小説とはいふべからず。その骨髄(こつずい)を穿(うが)つに及び、はじめて小説の小説たるを見るなり」
「人情を灼然(しゃくぜん)として見えしむるを我が小説家の務めとはするなり」
「人情とはいかなるものをいふや。曰く、人情とは人間の情慾にて、所謂百八煩悩是れなり」
「形容を記するはなるべく詳細なるを要す。我が国の小説の如きは、従来細密なる挿絵をもてその形容を描きいだして、記文の足らざるをば補ふゆゑ、作者もおのづから之れに安んじ、景色形容(けしきありさま)を叙する事を間々怠る者尠(すくな)からねど、是れ甚だしき誤りなり」

関連する名言

「私には特別な才能はない。ただ情熱的に好奇心旺盛なだけだ。」

— アルベルト・アインシュタイン

「想像力は知識より重要だ。知識には限界があるが、想像力は世界のすべてを包み込む。」

— アルベルト・アインシュタイン

「科学とは知識の集積ではなく、思考の様式だ。」

— カール・セーガン

「良い人生とは、愛によって鼓舞され、知識によって導かれる人生だ。」

— バートランド・ラッセル

「点はいつか繋がる。前を向いて点を繋げることはできない。振り返ってしか繋げられない。だから今やっていることが、未来のどこかで繋がると信じなければならない。」

— スティーブ・ジョブズ

「知ることは十分ではない。実践しなければならない。意欲するだけでは十分ではない。行動しなければならない。」

— ゲーテ

「自然は、服従しない限り支配できない。」

— フランシス・ベーコン

「普通なら見落とされてしまうことに気づき、それを注意深く観察する能力こそが、私に与えられた最大の強みだった。」

— チャールズ・ダーウィン

「若い研究者に伝えたいのは、好奇心を大切にすることだ。好奇心こそがイノベーションの原動力だ。」

— 吉野彰

「科学の探求を辛いと感じたことはなく、常に最も楽しく、刺激的なものとして感じてきました。好奇心、忍耐、粘り強さ、これが大切です。」

— 大隅良典

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