「形容を記するはなるべく詳細なるを要す。我が国の小説の如きは、従来細密なる挿絵をもてその形容を描きいだして、記文の足らざるをば補ふゆゑ、作者もおのづから之れに安んじ、景色形容(けしきありさま)を叙する事を間々怠る者尠(すくな)からねど、是れ甚だしき誤りなり」
坪内逍遥の他の名言
「此人情の奥を穿ちて、所謂賢人君子はさらなり。老若男女、善悪正邪の心の内幕をば洩す所なく描きいだして周密精到、人情を灼然として見えしむるを、我が小説家の務めとはするなり。よしや人情を写せばとて、其皮相のみを写したるものは、未だこれを真の小説といふべからず。其骨随を穿つに及びて、はじめて小説たるを見るなり」
「俗言のまゝに文をなすときは あるひは音調侏離(しゅり)に失し 或ひは其(その)氣韻の野(や)なるに失して いと雅びたる趣向さへ爲にいとひなびたるものとなりて 俚猥(りわい)の譏(そし)りを得ること多かり」
「人間という動物には、外に現る外部の行為と内に蔵れたる思想と、二条の現象あるべき筈たり」
「凡そ形(フォーム)あれば茲に意(アイデア)あり」
「斯(し)かれば外面に打いだして、行ふ所はあくまで純正純良なりといえども、その行ひを成すに先きだち幾多劣情の心の中に勃発(ぼっぱつ)することなからずやは。その劣情と道理の力と心のうちにて相闘(あいたたか)ひ、道理劣情に勝つに及びて、はじめて善行をなすを得るなり」
「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」
「よしや人情を写せばとて、その皮相(ひそう)のみを写したるものは、いまだ之(こ)れを真の小説とはいふべからず。その骨髄(こつずい)を穿(うが)つに及び、はじめて小説の小説たるを見るなり」
「人情を灼然(しゃくぜん)として見えしむるを我が小説家の務めとはするなり」
「人情とはいかなるものをいふや。曰く、人情とは人間の情慾にて、所謂百八煩悩是れなり」
「是れ泰西の国々にては、大人(たいじん)、学士といはるる人々、皆争つて稗史(はいし)を繙き、快楽(けらく)を求むる所以なりかし。わが国俗(くにうど)はいにしへより、小説をもて玩具(もてあそび)と見做しつ。作者もまた之れに甘んじ、敢て小説を改良して大人、学士を楽ましむる美術となさむと思ひし者なし」
関連する名言
「今や立憲政治は一般嘲笑の具と化して居る。」
— 木下尚江
「然れ共田中正造など云ふ人達は、立憲政治は自分等の汗と血とで建立したものだと云ふ篤い自覚を持つて居た。」
— 木下尚江
「従つて議員と云ふものの重大な責任を深く知つて居た。」
— 木下尚江
「こゝに政府は始めて「無責任無関係」を公言した。」
— 木下尚江
「田中正造は、「鉱毒防禦」を要求したのでは無い、「鉱業停止」を求めたのだ。」
— 木下尚江
「この答弁書を見よ、これは政府と云ふ者の態度でなく、全く鉱業者の代理人だ。」
— 木下尚江
「国民の理想とするところ低くんば、其国民も亦低からざるを得ず、国民の理想とするところ高くんば其国民も亦高からざるを得ず」
— 山路愛山
「蓋し大なる国民は大なる英雄を奉じ、小なる国民は小なる英雄を奉ず」
— 山路愛山
「是れ天然の法則なり、是れ歴史上の事実なり、何ぞや、英雄を以て英雄を作るに在るのみ。」
— 山路愛山
「器械既に足れり、材料既に備れり、唯之を運転するの人に乏しきを患ふる耳。」
— 山路愛山