最近にも、この冬の大作映画の翻訳の依頼が舞い込んできて、大慌てしました。どういう内容か事前通達もなく、突然、依頼が舞い込んでくるんですよ? しかも1週間で仕上げるのが通例。下準備などできるものではありません

戸田奈津子

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20世紀にいい映画を年間40本ペースで翻訳してきて、もう十分働きました。字幕で新しい志を燃やすというより、これからは少しゆとりが欲しいですね
この仕事のために、他のものをいろいろ犠牲にしてきました。結婚もしなかったし、子どもも作らなかった。とにかく仕事一途でした
その人にとっての「好きなこと」「才能」って、子どもの頃の自分を思い出すときっと見えてくるはずです
私は、やりたいことを見つけられない若者が多いことに、いささか腹を立てているんですよ。やりたいことを見つけられないのは、自分を分かっていないからじゃないかしら
何であってもやりたいことや目的意識があるなら、それにフォーカスしてやるべき
英語学習は必要な人にとっては必要だけど、そういう人生を考えていないのなら、しゃかりきに英語をやる必要はないというのが私の考え方です。あくまで英語は道具(ツール)で、最終ゴールではありませんからね
モチベーションは「それでもやはり映画が好き」ということです
とにかく1週間ほどで仕上げる。その過程で分からない部分があれば本で調べる、または専門家に聞く。そして原稿提出までに疑問の箇所を解決するというやり方をしています
送られてきたデータは、CG映画の場合、1週間から10日も経てばどんどん途中で絵が変更・追加されていくんです。だから翻訳もその都度調整を入れなきゃならない。そういう調整が封切のギリギリまで繰り広げられます。字幕翻訳者にとっては大変プレッシャーの厳しい時代になりました
(当時は)基本的にはたった一度観ただけで、翻訳にとりかからねばなりませんでした。神業のようですが、スケジュール的に何度も見返す時間は与えられないのです

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