「アタシはまだ、自分の本当の急所を知らないで生きている」
マツコ・デラックス
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「アタシはまだ、自分の本当の急所を知らないで生きている」
マツコ・デラックス
「アタシはいつでも、誰かを意識し、想定し、そして暴言を吐き続けている。それで、少しでも己への嫌悪、増悪を紛らわし、心の安定を図っているのだとしたら、とんだ開き直り人生よね」
マツコ・デラックス
「もしも今、ある程度のチンポに満たされ、ゲイとしての幸せに多少縁が出来たとしても、それでもきっと叫び続けるんでしょうね、アタシはこんなんじゃない、こんな人生じゃないって。アタシはいったい何をしたいんだろう、何が欲しいんだろう、何て思われたいんだろう、どこまで魂を売り続けるんだろう」
マツコ・デラックス
「自分の将来考えると恐ろしいんだけどね。こんな女装渡世、国がちゃんとしてくれているからどうにか生きてるようなもんで、混乱の世にホモやシングル女、ましてや女装なんて邪魔なだけだもの。20年後、もし国がめちゃくちゃになっていたら、隠れホモ化しているか、女装で新宿を徘徊しているか、自分もどうなっているかわからない」
マツコ・デラックス
「もしかしたら、アタシは母親にこそ真の理解者であって欲しいと願っているのかもしれない。けれども現実は、四十歳にして生まれた一人っ子がゲイで、女装癖で、さらにそれだけでは飽き足らず、人様の前でわざわざ「アタシはオカマよ!」って叫ぶようなことをしてるんだから、一方的に理解しろとは言えないわ」
マツコ・デラックス
「こんな風に、雑誌で偉そうなことぬかしたり、テレビに出ればデブで女装なキワモノっぷりを存分に突かれてるんだから、今更どの口が言うって話なんだけど、アタシはいまだに母親と、もちろん父親とも、自分がどんな人間なのかを話したことがないわ」
マツコ・デラックス
「でもね、でもよ。自分さえ信じちゃいない若い子が多いって言うけど、自分のこと信じるなんてのは、罵られ、知らんぷりされ、踏んづけられるような思いをし、それでもバカみたいに、勘違いでもいいから本当の自分とやらを見つけるために彷徨った挙げ句、その遥か先にほんの少し、うすぼんやりと見えてくるようなものじゃない」
マツコ・デラックス
「結局はさ、あんな刹那的なことを言いながらも、きっと、ちゃんとした人間に見られたいとか、社会と順応して生きていたいとか、もっと言ってしまえば、報われたいみたいな所懐があったんだと思うのよ。好き勝手やってるくせに、ホント高慢ちきな輩だよ」
マツコ・デラックス
「人を笑わせる行為って、最も客観性が必要なことよね。しかもそれって、とても自虐的要素の強い作業で、己が人様からどんなふうに見られているのか、何を求められているのかを冷静に判断できなければ、そこに笑いは生まれない。客観性って、いかに自分を曝け出せるのか、嘘を付けずにいられるのかなんだろうね」
マツコ・デラックス
「キワモノ上等!でも、でもなのよ。アタシ、「笑わせる」のは大好きだけど、「笑われる」のは大嫌い。が、現実は厳しくて、アタシを笑っている人の八割は、「笑わせてる」のではなく「笑われている」ことぐらいは百も承知よ」
マツコ・デラックス
「そう、アタシはよく判らない規格外の人だ。けれども、紛れもないゲイの女装癖だ。笑われてなんぼなことも、治外法権であることもよく解っている。それを最大限利用し糧を得るしか生きる道はないことも。アタシはまた、覚悟を決めてなかったんだよ」
マツコ・デラックス
「よく、オカマは何を言っても、何をやっても許されるから羨ましい、なんてことを言われるけど、それはアタシも重々、治外法権であることの有り難みを感じつつ、男でも女でもないところの隙間を、緩く漂わせて頂いているわ。もちろん、その実相は、男からも女からも、自分には関係のない生き物、別の社会と見なされているからこその治外法権、それであることも理解しているつもりで、要は、みなさまにとっては他人事を延々と叫んでるに過ぎないんでしょうね」
マツコ・デラックス