「「日本の書の文化」の力を世界の人にも伝えたいとも思い、日本語以外の言語でも作品も創作しています」
紫舟
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「「日本の書の文化」の力を世界の人にも伝えたいとも思い、日本語以外の言語でも作品も創作しています」
紫舟
「現代人にとって、書は遠い存在ですよね。床の間に掛け軸として仰々しく飾られるものに加え、もっと私たちの身近な生活や異国にも溶け込む書があってもいいのではないか、そして、それを私が創っていきたいと、強く思っています」
紫舟
「毎回一つのものを生み出すために、少なくとも同じ漢字を500種類くらい書き分けます。筆も墨も硯も和紙もあらゆるものを使い、最も思いが伝わる表現を探します。そんなことを繰り返しています」
紫舟
「「命」という一文字をとってみても、それが、若い人が感じる「命」なのか、新しい命の誕生に向き合ったときの「命」なのか、もしくは癌を克服した人が感じたものなのかなど。できるだけ、描きたい想いに寄り、人に寄り、書を表現していきたいと思っています」
紫舟
「同じ漢字を意志や想いによっても書き分けることをいつも意識しています」
紫舟
「“日本文化が根付いているのは、京都や奈良を中心とした関西だと感じます。それに対し、東京は、ロンドンやパリ、ニューヨークと並び、“世界の感覚を持ち合わせた都市でしょう。書家としての活動を広げるためには、東京という舞台がふさわしいと考えたのが移住のきっかけです」
紫舟
「人生において大切なものと向き合わなくちゃいけない時、大都市なら仕事や遊び、ショッピングなど、たくさんの逃げ場がありますが、奈良は自分と向き合うしかない。まさに自分の人生を生きるための「修行」にはうってつけの土地でしたよ」
紫舟
「大都市では「ムダ」と見なされる、一見、非効率なことが、奈良では幸せの源になっているのを体感し、「生きるって、こういうことなのか」と教えられた気がします」
紫舟
「「仕事=生きること」と思い込んでいましたが、奈良での生活を通して、「生きること=生きること」でしかないということを知りました」
紫舟
「書家としての成長を求め、書の本場である奈良にアトリエを移しました。奈良にはたくさんの書家がいて、また神社仏閣が多く書の需要が高いため、墨や筆・紙漉きなどの職人さんも集中しています。この奈良で過ごした3年間は、私を大きく成長させてくれました」
紫舟
「3ヶ月間、それまでの人生を通して背負い過ぎたものを下ろし、「自分はどう生きたいのか」「何が好きなのか」と、自分の本心に向き合い続けました。そんな自問自答の末、最後に残ったのが「書家」という道だったのです。書家になると決断した瞬間、心がスッと軽くなったのを今でも鮮明に覚えています」
紫舟
「人生を見つめ直すために退社しました。その会社に勤め続ければ、いつ頃に結婚し、何歳には年収がこれくらいになって――と、その後の人生が容易に計算できました。たしかに安定はしていますが、私にとっては先が見え過ぎることが、逆に不安でした。自分の思い描いた人生はもっと違うような気がしていました」
紫舟