「私が脳科学者という立場からアドバイスするとしたら、「今、調子がよさそうな人の真似をしないこと」です。真似をするなら「自分がいいと思った人」の真似をすることです」
中野信子
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「私が脳科学者という立場からアドバイスするとしたら、「今、調子がよさそうな人の真似をしないこと」です。真似をするなら「自分がいいと思った人」の真似をすることです」
中野信子
「人とコミュニケーションをとることが苦手な人が増えていますよね。それが仕事で成果を出しづらくしている大きな要因だと思います」
中野信子
「自分の置かれている状況を客観的に見るのはしんどい作業ですが、それを可能にするのが、人間の知性です。脳のなかに前頭前皮質の背外側部というところがあるのですが、そこがこの役割を担っています。だいたい25歳で完成すると言われていますが、トレーニングしないと育ちません。若いうちに自分を客観視することで鍛えないと、中高年になってからではなかなか鍛えられないんです。でも、いったんできてしまえば、将来、多くの人に羨ましがられる才能になると思います」
中野信子
「自分が嫌だと思うポイントがわかったら、次はその人を越えるための戦略を立ててみる。超えるということは「自分がその人よりどうなれば満足できるのか」ということです。収入がその人より多ければいいのか、社会的地位が高くなればいいのか、知名度が高くなればいいのか、かっこいい男と結婚することなのか。“妬みを晴らすゴールを考えるんです。そして、そこにたどり着く道を探ります。超えたいものが自分のなかに明確にあれば、必ず道は発見できます。その道を丁寧にたどっていけばいい」
中野信子
「妬みを持った人に勝つために必要なのが、「自分はどういう観点でその人に妬みを感じるのか」を自分に問うてみることです。自分が相手に対して何に一番、妬みを感じているのか、そのポイントを見極める。苦しくともじっくり考えてみるんです」
中野信子
「妬みというのは必要不可欠なものなのですが、同時に苦しい感情でもあります。私たちは、妬みとどのように対峙していったらいいのでしょうか。有効な方法の1つは、妬みの対象の相手を引きずり降ろす、です。でもこれは個人にとっても組織にとっても短期的にしか有効性が発揮されません。繰り返されると組織はやがて壊れてしまいます。では、どうしたらいいか。それは、「いい仕事をして、その人に勝つこと」です。それが、長期的に誰もが得をする唯一の解といえるでしょう」
中野信子
「環境に満足する人としない人、環境に変化があった時に生き残れるのはどっちだと思いますか?正解は満足しない人です。なぜなら、常にもっと良くなろう、変わろうと準備しているので、環境の変動にすぐに対応できるからです。長い時代を経て、満足する人の多くは淘汰されてしまったと考えられます」
中野信子
「面倒なものなら妬みの感情なんてなければいい、と思うかもしれませんが、実は妬みは人が生きる上で必要不可欠なものなんです。なぜなら、人は他人と比べることでしか、満足を得られないからです。人と比べず自分の中だけで満足できればそれに越したことはないけれど、残念ながらそういう人はいない」
中野信子
「もしあなたが、今いる場所が自分に合っていないと感じているなら、それはその場所と自分の能力が合致していないのではなく、「自分は正当に評価されていない」という気持ちが大きいのかもしれません。そういう状況では、自分を求めてくれる場所があったら、嬉しくなってそっちに行きたくなってしまうということが起こり得ます。たとえそこが社会的に問題のある場所であっても。人はそうやって道を間違ってしまうこともあるんです」
中野信子
「失職するとひどく落ち込みますよね。それは社会から「いらない人間」と烙印を押されたような気になるからです。つまり失職によって失ったと感じるのは、お金ではなく“人間の尊厳なのです。失職をきつく感じるのはそのためです」
中野信子
「男性と女性、どちらが妬みを感じやすいと思いますか?女へんがついているから女性のような気がしてしまいますが、実は男性のほうが妬みを感じやすいんです。それは男性のほうが“社会的報酬を感じやすい生き物だからです。仕事で認められると嬉しいですよね。それはお給料をもらえるからではなく、社会的報酬をもらえるからなんです。つまり、仕事の本当のモチベーションは、お金ではなく、「社会から自分の存在意義を認めてもらうこと」なんです」
中野信子
「小さいころから妬みはよくないものだと教わりますよね。でも決してなくなることはありません。それこそソクラテスの時代から、目立つ奴は妬まれて毒殺される、みたいなことがあったわけです。妬みをなくすことはできず、あるのが自然な状態です」
中野信子