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自分の置かれている状況を客観的に見るのはしんどい作業ですが、それを可能にするのが、人間の知性です。脳のなかに前頭前皮質の背外側部というところがあるのですが、そこがこの役割を担っています。だいたい25歳で完成すると言われていますが、トレーニングしないと育ちません。若いうちに自分を客観視することで鍛えないと、中高年になってからではなかなか鍛えられないんです。でも、いったんできてしまえば、将来、多くの人に羨ましがられる才能になると思います

中野信子

自分が嫌だと思うポイントがわかったら、次はその人を越えるための戦略を立ててみる。超えるということは「自分がその人よりどうなれば満足できるのか」ということです。収入がその人より多ければいいのか、社会的地位が高くなればいいのか、知名度が高くなればいいのか、かっこいい男と結婚することなのか。“妬みを晴らすゴールを考えるんです。そして、そこにたどり着く道を探ります。超えたいものが自分のなかに明確にあれば、必ず道は発見できます。その道を丁寧にたどっていけばいい

中野信子

妬みというのは必要不可欠なものなのですが、同時に苦しい感情でもあります。私たちは、妬みとどのように対峙していったらいいのでしょうか。有効な方法の1つは、妬みの対象の相手を引きずり降ろす、です。でもこれは個人にとっても組織にとっても短期的にしか有効性が発揮されません。繰り返されると組織はやがて壊れてしまいます。では、どうしたらいいか。それは、「いい仕事をして、その人に勝つこと」です。それが、長期的に誰もが得をする唯一の解といえるでしょう

中野信子

もしあなたが、今いる場所が自分に合っていないと感じているなら、それはその場所と自分の能力が合致していないのではなく、「自分は正当に評価されていない」という気持ちが大きいのかもしれません。そういう状況では、自分を求めてくれる場所があったら、嬉しくなってそっちに行きたくなってしまうということが起こり得ます。たとえそこが社会的に問題のある場所であっても。人はそうやって道を間違ってしまうこともあるんです

中野信子

男性と女性、どちらが妬みを感じやすいと思いますか?女へんがついているから女性のような気がしてしまいますが、実は男性のほうが妬みを感じやすいんです。それは男性のほうが“社会的報酬を感じやすい生き物だからです。仕事で認められると嬉しいですよね。それはお給料をもらえるからではなく、社会的報酬をもらえるからなんです。つまり、仕事の本当のモチベーションは、お金ではなく、「社会から自分の存在意義を認めてもらうこと」なんです

中野信子