されば小説の作者たる者は専ら其意を心理に注ぎて、我が仮作たる人物なりとも、一度編中にいでたる以上は、之を活世界の人と見做して、其感情を写しいだすに、敢ておのれの意匠をもて善悪邪正の情感を作設くることをばなさず、只傍観してありのままに模写する心得にてあるべき

坪内逍遥

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