「低い身分から次第に立身出世し、高い身分になった場合でさえ、無道であれば、その時々の勢いにまかせて、身分の低い時代の難儀や不自由を忘れ、先々困窮することを考えないのである」
黒田官兵衛の他の名言
「その人の本質はそのまま残し変化に対応するには、常に柔軟でなければいけない」
「武将の家に生まれたからにはしばらくも武の道を忘れてはならぬ」
「一度に敵を千も二千も討取ることは得手者に候」
「人には気が合う気が合わないということがある。主人が家来を使う場合には、とくにありがちなことだ。気の合う家来が、もし善人であったならば、国の重宝となるが、悪人であったとすれば、国家の妨げとなるのであるから、大変な違いである。家来たちの中に、たとえ自分と気が合わない者がいて、それを傍ら近く召し使い、軽い用事を勤めさせることがあっても、その者に心を奪われてはならない」
「すべて国を治めていくには、普通の人と同じ心がけでは駄目である。まず、政道に私なく、その上、わが身の行儀作法を乱さず、万民の手本とならねばならない」
「常日頃好むところでも、よくこれを選び慎むことが大切である。主人の好むところは、家来や百姓町人も、自然とその真似をするものであるから、とくに注意せねばならぬ」
「気の合う家来に対し、ともすれば悪いことを見のがすこともあるだろうから、よく注意して、そうした点を発見し、自分に対して諫言もさせるとともに、また、その者がいい気になって行儀の悪かったときには、傍らに呼びつけて意見をすべきだ。それでも聞かない時には、この如水に言いつけよ。よく詮議した上で罪科に処すだろう」
「お前たち家来の間にも、気が合うか気が合わないかによって、仕置をする上に過ちができることがあろう。気の合う者に対して贔屓して、悪いことも善く思い、あるいは悪いと知りながら、自然とそれに親しむようになるものである。気の合わない者に対しては、善人をも悪人と思い、道理をも無理のように思い誤ることがある。気が合う家来、会わない家来とでは、仕置の上にもこのような私心ができてくるものであるから、みな、よく注意せねばならぬ」
「将たる者が武を忘れたならば、軍法がすたり、家中の侍たちも自然と心が柔弱となり、武道の嗜みなく、武芸も怠り、武具も不足し、塵に埋もれ、弓槍の柄(え)は虫の住みかとなり、鉄砲は錆び腐って、役に立たなくなる。軍法も定まっていないから、もし兵乱が起こった場合には、どうしたならばよかろうと、驚き騒ぎ、喉がかわいてから井戸を掘るようなことになろう。武将の家に生まれたからには、しばらくも武の道を忘れてはならぬ」
「乱世に文を捨てる人は、軍の道理を悟らないから、制法が定まらず、国家の仕置に私心が多く、家人や国民を愛する術がないから、人の恨みが多い。血気の勇だけで、仁義の道がないから、士卒に敬慕の念が欠け、忠義の志が薄くなるから、たとえいったん軍に勝つことがあっても、後には必ず亡びるものである」
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