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ネットとリアルが融合される世界では、これまで以上にリアルの「近くて便利」という価値が威力を発揮する。リアルの店舗の網の目を細かくしていく重要性は、これまでとは異なってきている。例えば、米国のセブンイレブンには米アマゾン・ドット・コムが、宅配ボックスの「アマゾンロッカー」を置かせてほしいと言ってきている。ネットで強力な力を持つアマゾンでさえ、最終的にはリアルの力を必要とする。彼らもそれがなくて困っているのだろう

鈴木敏文

セブンイレブンを作った時も、銀行を始めた時も、業界内やマスコミから総スカンを食った。うまくいくなんて誰も言わなかった。でも私はそれをやってきた。人間は自分の頭の外のことは「無理」と思いがちだ。だが重要なのは世の中の矛盾に気づき、その壁に向かって挑戦できるかだ。成功体験にすがらなければ、人口減も成長の糧になる。それ以外の細かなやり方については、次のリーダーが私と違う手法でも構わない

鈴木敏文

社内的には、9月にグループ幹部を米国視察に行かせたことがひとつのきっかけになった。実際に米国の進んだ部分を見せた方がいい。たった1週間の訪問だったが、一斉に行かせたことで、ひとつのことを皆がディスカッションする環境が自然に生まれた。相当理解が深まったように思う。米国で同じものを見て、同じ釜の飯を食う。これまでグループでお互いの顔は知っていても、ひとつの仕事について議論することは少なかった。今回は強制ではなく、一緒に行って話し合うことができた

鈴木敏文

大事なのは革新力だ。完全に自己否定しなくちゃならない。日本でセブンイレブンを作る時、当時はスーパーが伸びていたが、絶対にヨーカ堂のMD(マーチャンダイジング=商品政策)のマネをしてはいけないと思った。スーパーはこれから成熟期に入ると思っていたからだ。だからヨーカ堂の人間をセブンイレブンには持ってこず、素人集団でやってきた

鈴木敏文

簡単には買ってもらえない買い手市場は、我々売り手にとってはアゲンストの風がひたすら吹いている状態です。しかし、アゲンスト(逆風)の風のときこそ実力が問われ、顧客が本当に価値を感じるものを提供すれば、買ってもらえます。しかし、これは裏を返せば、買い手にとっても同じで、景気後退に値上げラッシュとアゲンストの風が吹いているときこそ、何を買い、何を買わないか、買い方の真価が問われるのではないでしょうか

鈴木敏文

人がお金を使うのは、それに見合う満足を得るためです。お金で満足を買う。そのとき、商品が媒介することもあれば、サービスが媒介する場合もあります。その満足のあり方こそがここに来て変わってきました。自分はどんなことに満足を感じるのかがハッキリしている人は、買い方の知恵を絞ることもできるのです

鈴木敏文