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本部がインターネットで直接お客様にモノを売るというのは、コンビニ業界ではタブーでした。しかしローソンは、日本型コンビニの常識を覆して、本部による直販のEC(電子商取引)を始めました。既存のビジネスを守るがために、誰かにとられるくらいなら先に取りに行く。これからのライバルは、コンビニではなくアマゾンだと思っているくらいです

新浪剛史

社長就任当時、いまだからこそ言えますが、現場を回ってみてこのままだと会社が崩れてしまうと真っ青になりました。こりゃ片道切符だなと腹を決めました。もう三菱商事には戻らない。出向社長が何を言っても、比較され、否定され、劣等感で凝り固まった社員の心は動かせません。ローソンを本気で変える覚悟をしました

新浪剛史

サービスの中身を本部が標準化すべきかと言えば、必ずしもそうではないと考えています。例えば大きな団地がある地域などでは、戸別に宅配するよりも車で近くに行ってパラソルの下で売った方がいいかもしれない。その時に現場から「こんな車が必要」とか「法律問題をクリアしたい」とかの要望があれば、本部がそれをバックアップして、ノウハウを全体共有する。そういう地域の特性に合わせたマネジメントをするのが、本当の地域密着だと思います

新浪剛史

これだけ成熟した市場になれば、もっと「サービスを通じてモノを売る」ということを考える必要があります。誤解されがちですが、サービス業はモノを売っているんです。介護とか医療とか、サービスそのものの付加価値だけじゃありません。介護だって施設を作るなら専用の器具がいるし、運営には介護用品がいるし、食品だって必要です。自動車にしたって、現場には販売する人もメンテナンスする人もいます。サービスの競争力を高められれば、それを入り口にモノを売って、収益力も確保することが可能です

新浪剛史

経済団体の会合に出ていたら、様々な経営者が政府に対して「ああしてくれ、こうしてくれ」と要望を出していました。それに違和感があったんです。国に対していろいろ言うけど、果たして当社のような民間企業は何をやってきたのかと。それで投資を人に振り向けたんです。私は産業競争力会議のメンバーでもあるわけですから、「やることやらなきゃ言いたいことも言えないな」と思いましてね

新浪剛史